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いちご100% 最終巻

河下 水希

傑作(30点)
2005年12月5日
ひっちぃ

ふとしたアクシデントで見たいちごパンツの女の子から始まる学園ラブコメの最終巻。最終巻の感想を一言二言でまとめると、いい感じで終わった、でも結末には納得できん、って感じ。

以降、完全なネタバレになるので注意。

まず、主人公の真中は結局誰と一緒にいたいのかということがぜんぜん伝わってこない。ラストを見ると、西野を選んだということがはっきり記述されているのだが、これに納得できる読者はどのくらいいるのだろうか。東城こそが一番のヒロインなのでは?と読者の七割は思うはずだ(私の憶測に過ぎないが)。

オーソドックスな物語だったら、主人公には「本当に好きな人」がいて、いろいろとまどわされながらも最後にはその人に気づいて、色んな障害を乗り越えて最後に結ばれる、で終わるだろう。少なくとも本作はそんな単純な話ではなかったということだ。

単純なのが良くて複雑なのが悪いと言うつもりはないが、作者はちょっと理屈っぽくなりすぎたか、物語の着地点をうまく計れなかったと思う。私は途中読んでいて、西野も東城も真中から離れていくのではないかと思い、その予定で結末を勝手に予想し一人で思わず感動しそうになった。だから余計にこの結末に納得できないのだ。

まあ確かに西野も一度は離れるわけだけど、四年後の再会時に結ばれるわけで、首をかしげてしまう。真中がその四年の間に、東城の小説の舞台を探しに世界中を旅行していた、という挿話にもアレって思うし、結局この二人の関係はどういうものなんだろう。世界旅行という薄っぺらさも気になるし、作者の底の浅さが最後にきて目立ってしまったように思えてならない。

と色々けなしてしまったが、それは特にヒロイン二人のキャラがとても良かったからだ。西野と東城の二人は、他のヒロインとは段違いに濃くギッシリ詰まった素晴らしいキャラクターだと思う。安易なストーリーの中で、よくここまで描いてきた。ストーリーには納得できなかったが、この二人の挙動は最後まで説得力にあふれ、私にとって魅力的だった。

作者の最後の解説も良かった。あの結末を読んだあとだと、作者に説明を求めたくなるというものだ。解説ではとてもすべて納得できるわけではないが、作者の言葉を読むことで、私は少なくともこの作品については納得できるようになった。依然としてストーリーには納得できないけど。次の作品が楽しみだ。

あまり関係ないが、色んな面で桂正和「電影少女」を思い出した。

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