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絶対可憐チルドレン 7巻まで

椎名高志

まあまあ(10点)
2007年2月7日
ひっちぃ

超能力者の存在がおおやけになりちらほら目立つようになってきた想像近未来の日本で、国家が保護し管理する最高度の超能力者の十歳の少女三人組とその監督をする心優しきエリートの若者の活躍と、超能力者の悲哀、そして予知された超能力者対普通人の大戦争の緒戦とそれを避けるための努力が描かれる。

ヒロインが10歳の少女三人組という時点でかなり狙った作品ではあるが、彼女らが自分たちの監督者である皆本になついているさまが微笑ましい。子供っぽいところ、背伸びしているところと、割と健全に書かれている。

一巻は連載が始まる前のお試し読みきり作品で、そのまま本編につながるのだが、作品の本質が浮き出ていて分かりやすい。

まずはヒーローものの要素で、超能力という超人的な力を持った少女たちが事件を解決していく爽快さが気持ちいい。

次に超能力者の悲哀が描かれる点で、特に人に触れただけで人の心を読んでしまうサイコメトラー(精神感応能力者)の少女が、普段は周りから人が遠ざかってしまうのに…、というもの。

そして最後はやはり愛で、少女たちが真面目な好青年の皆本に愛を感じている。その中で一番大きいのは、皆本が見せられた予知夢の中で超能力者たちの大反乱が起き、そこで皆本が少女の一人・薫と銃を向けて退治している場面だろう。

作者は既にヒット作を持つベテランか中堅なのだが、その割に一巻と二巻はストーリーと絵に雑さを感じた。ストーリーについては読み切りに詰め込もうとした無理がたたったのかもしれない。絵に関しては、雑とは言いながらもダイナミックで、おそらく確信犯的に崩しているのだと思う。最近のこぎれいな作家よりずっと腕を感じる。

三巻以降は洗練されてきて、線がとても魅力的で、絵だけでも素晴らしくて楽しめる。ストーリーもまあ長編としてはそれなりのレベルを保っているが、兵部まわりと特に管理官がおざなりで私としては気に入らない。その分、長く続けて欲しいものだ。少女三人組が段々露骨に皆本に好意を示すようになっていっているのはいいのだろうか。良くも悪くも、職業作家が子供相手に見せる紙芝居のように場当たり的ウケ狙いな余裕ありありの作品だと思う。

既に結末の一部(の候補)を書いているので、最後がどうなるのかを期待して読み続けるである読者は私も含めて少なくなさそうである。しかしあんまり期待しすぎてもあとでしょんぼりしそうなので、これから続いていく物語を逐次楽しみにしていきたい。

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