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家畜人ヤプー

作画:江川達也 原作:沼正三

まあまあ(10点)
2007年5月15日
ひっちぃ

空想未来のヨーロッパを起源とする女系社会の女性たちが、男を従属させ、日本人の子孫を家畜以下に改造・調教して使っているさまを描いた小説をマンガ化したもの。

1960年代に有名なSM系変態雑誌「奇譚クラブ」に連載された作品らしい。私は原作を読んでいないどころかマンガ化された本作自体1巻しか読んでいないし、この作品の評価についても何もしらない。

この作品はほとんどナレーションで進む。少なくとも1巻は変態SF作品だ。あとがきで原作者が述べているように、アメリカにコロッと手のひらを返した日本人の卑屈さを訴えるために日本人をことさら醜い奴隷として描き、女が男に隷属するという状況を強調するために敢えて逆に男が女に隷属する社会を描いていたりと、変態小説以前にSF作品として優れたところが見られる。

さてこの作品の変態性は、人間を改造して快楽のための機械にしてしまう方法を描いているところにある。とても残酷な描写だらけで、拒否反応を起こす人が多いと思う。残酷すぎるのでここでは一切説明しない。単にSMっぽいものが好きというぐらいではとてもついていけない世界だ。ただ、大なり小なり人はエログロにひかれるものなので、ついつい読んでしまう。

この作品をあえてマンガにして今の若い世代に見せようとした江川達也の狙いがどこにあるのか、1巻のどこにも見当たらない。この人独自のテイストが見られないのがガッカリした。

原作者の沼正三という人も、マンガ化にあたってのあとがきの中のほとんどを自分の原作の背景の紹介にあてており、最後のほんの5行だけマンガについて言及している。自分の作品が現代においてどのように受け止められるのかという考察すらない。もう完全に過去の人なんだなと思った。

私はこの作品をそれなりに楽しんで読んだのだが、1巻で結構腹いっぱいになった。多分原作が素晴らしいためにこれまでに多くの作品に影響を与え、それらの作品を介して既にこの作品の味をかなり楽しんでしまっているからだと思う。

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