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吉永さん家のガーゴイル 1巻

田口仙年堂 (ファミ通文庫)

いまいち(-10点)
2009年3月19日
ひっちぃ

吉永さん家には、なよなよした兄と男まさりの妹がいた。その元気な妹が商店街の福引で謎のアンティークショップが提供していた犬の石像を当てた。その石像はなんと意志を持っていて、吉永家の門番として近所の治安を守るのだった。ゲーム雑誌のレーベルから出ているライトノベル。

この題がとてもいいと思う。ガーゴイルという禍々しい存在に「吉永さん家の…」というほのぼのとした形容詞をつけるセンスが素晴らしい。それに作品自体も何かのレビューでそこそこの評価を得ていたので、今回初めて手にとってみた。

この作品のもっとも核になっているのは、動く石像ことガーゴイルが孤独な存在という設定になっていて、彼が吉永家に受け入れられていくというハートウォーミングなストーリーになっていることだろう。元気な妹の双葉もまた不器用な性格として描かれ、ガーゴイルとの心のふれあいみたいなものに焦点が当たっている。

元気な妹に対して、なよなよした兄、プロレス技を掛けるパワフルな母、勢いのある父、なんでもアリな変人キャラのアンティークショップのおねえさん、大企業の御曹司でガーゴイルに執念を燃やすコミカルな科学者、かなり強いけど世間慣れしていないガーゴイル、とこの手の作品として実にキレイにキャラを揃えてある。

でもなあ。正直つまらなかった。多分その一番の理由は、ヒロインの元気な妹の双葉というキャラをそれほど好きにはなれなかったことだと思う。歳かなあ。子供はこういうキャラが好きそう。

この作品の構造はちょっと藤子不二雄的なところがあると思う。ガーゴイルでまずハットリ君を思い出した。時代劇みたいな台詞回しで、昔のことしか知らず、ちょっと謙虚で、主人公たちを守ろうとするところが。それはいいんだけど、こういうキャラに精神的な弱さとか未熟さを求めるのはあざといよなあ。いや、うまいことはうまいと思うんだけど。

盲導犬のエピソードは悪くなかった。良くもなかったけど。なんか二流くさいというか、色んなことが読めすぎた。

なよなよした兄の和己とか、ちょっと不気味な夜倶先生とか、元気な妹の双葉のクラスメイトのキャラがいまいち描ききれてないように思った。何をやりたかったのかだけは伝わってくるのだけど。

キレイにまとまっていて完成度がそれなりにある作品ではあると思うのだけど、読ませる何かが足りないし、子供向けだから当たり前なんだろうけど子供くさくて物足りなかった。

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