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The End of Evangelion

庵野秀明 総監督 GAINAX

傑作(30点)
2002年5月9日
ひっちぃ

1995年にテレビで放映されてからじわじわと人気を集めついには社会現象となった人気アニメのしめくくりとなる劇場版アニメ作品。

私はいまさらながらに BareShare (Gnutellaクローン)でムービーファイルを違法で手に入れたので、いまになって初めて観た。英語の字幕つきだが、音声はすべて日本語。ときどき字幕に目をやると、たまに明らかに誤訳じゃないかと思える箇所がある。senpai と sensei がそのまんまだったのが興味深い。

一言で言うと「カイサク」である。快作ではない。怪作である。とにかくグロテスク。人によっては正視に耐えないだろう。ジャンルは異なるが、カプコンのゲームソフト、バイオハザードといい、なぜこうまでグロテスクがもてはやされるのか、よくわからない。

導入シーンでは、特殊部隊との戦闘が描かれる。その精密さリアルさには驚かされる。「攻殻機動隊」といい、日本のアニメはこういうのが得意らしい。また、ところどころ挿入される現代日本の描写はわりとかっこいい。この作品を見た人がいつか日本に来たときに、あっ、と思うのではないだろうか。

例によってストーリーはまったく理解できない。ただ、ある種の主張だけは私にもわかりやすく伝わった。他人がいるから、いいこともあればわるいこともある。主人公や登場人物たちの深い絶望には共感しにくいが、人間誰しも少なからず覚えのある感情ではないだろうか。

総監督で原作の庵野秀明は、よほど頭がおかしいに違いない。芸術家である資格はあると思う。この作品の枠からははずれるが、冒頭の「5人の女性」への謝辞文だとか、この作品のあとに作った女子高生(?)を扱った実写作品のコマーシャルをみると、彼は生きている人間とくに若い女性に対してまさに畏敬と呼ぶにふさわしい感情を持っていそうである。

誰でも、人をおそれうやまう感情は持っているものだ。それを彼自身の感覚を通じて拡大してみせたのがこの作品なのではないか。

どうせみんなくだらない人間なんだ、と思ってはみても、自分の心の奥底を見ると、どこかで他人を畏敬する感情がある。

また、自分は大した人間ではないのだと思い、他人を喜ばせたり悲しませたりする力を自覚しないでいる。そういう心理も描こうとしているのだろうか。

いろいろと想像はできるのだが、作品を見ると本当にわけがわからないので、なんともいえない。

ここまで製作サイドが不可解な作品を作っていながら、この作品が実はそれぞれの解釈による鑑賞者参加型の作品になっているのは、奇妙だが非常に面白いことではある。

シンガポールに住んでいるという自称オタクで太っているという女子高生に BBS で「エヴァンゲリオンは意味ありげにみせかけた空虚な物語だ」と言ったら「それをファンの前で言ったら殺されるよ」と返してきた。なんとまあ浸透していることだろう。私がこの作品を評価しないわけにはいかない。

[参考]
http://www.gainax.co.jp/anime/
eva/

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