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劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者

監督:水島精二 原作:荒川弘

いまいち(-10点)
2009年11月5日
ひっちぃ

大量破壊兵器を開発した科学者のもとを訪れた国家錬金術師の兄弟だったが、権力中枢への取り成しを断ったため逆恨みで戦闘になり、科学者の暴走により兄弟の兄エドは異世界に飛ばされてしまう。その世界は錬金術などない科学全盛の第二次世界大戦前のドイツのミュンヘンだった。そこでエドは、弟アルに似た青年と出会い、何者かに追われるジプシーの娘を助けるが、その世界での陰謀に巻き込まれていく。

マンガとアニメでどうやら大人気らしい鋼の錬金術師の映画版。原作やテレビアニメとは異なるストーリーが展開される。マンガのほうは私は18巻で止まってしまったのだけど、お笑い芸人の品川祐がまず映画版を見ろとテレビで熱心に勧めていたのでいつか見ようと思ってようやく見てみた。

この作品は錬金術という名の架空の異能力が使える空想世界を舞台として物語が展開するのだが、この映画版では現実世界をモデルにした大戦前のドイツを主な舞台としている。なかなかいいセンスだなあと思った。ロケットを飛ばす青年、迫害されるジプシーやユダヤ人、第一次世界大戦での不利な講和への人々の不満、やがて訪れる大戦を想像させる軍靴の音。ただ、それらが何を語っているのかというと疑問だった。

こう書くと純粋な悪口のようになってしまうかもしれないけど、この作者の書く物語って妙に薄っぺらいと思う。犠牲となる人々、というものを強く押し出しているだけなんじゃないだろうか。

私が原作マンガを読んで一番強烈に感じたのは、錬金術によって犬と合成されてしまった少女のストーリーだった。他にも国家の犠牲となった民族や仲間、賢者の石の材料にされてしまった人間の話なんかが出てくるのだけど、じゃあ何を言いたいの?ってことになる。その黒幕には強力な敵がいました、そいつを倒せば終わりです、と言われてはいそうですかと納得できるだろうか。

この映画版も結局はそういうことになって、黒幕が出てきてそいつを倒す流れになってしまう。これまでに語られた悲劇はなんだったの?ってことになる。社会問題や国際問題をちょっと取り入れただけの単なるヒーローものでした。おしまい?ラストちょっとひねりがきいていて悪くなかったけど。

弟アルの鎧じゃない姿を見ることができるという以外にこの作品を見る価値はあまりないと思う。

ところで原作はいま一体どうなっているのだろうか。なんでもかんでもホムンクルスにしてしまってストーリーを収拾させることが出来るのだろうか。聞いた話によると、これを倒せば物語を閉じられるというようなラスボスが出てきたらしいのだが…。結局ロマンスがろくにないまま終わってしまうのだろうか。

(最終更新日: 2010年4月29日 by ひっちぃ)

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