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魔法少女まどかマギカ

新房昭之監督

傑作(30点)
2011年5月22日
ひっちぃ

空想近未来の日本の平凡な家庭で育った少女・鹿目まどかはある日、見知らぬ少女が巨大な何かと戦っている夢を見る。翌朝学校に登校するとその少女・暁美ほむらが転校生としてやってきた。何かを知っているようで何も語らない彼女だったが、この世界がたびたび侵されていることを先輩・巴マミから知らされる。暁美ほむらも巴マミも、なにかと契約して魔法少女になっていて、平和のために魔女と呼ばれる存在と戦っていた。しかし暁美ほむらはなぜか鹿目まどかには冷淡だった。魔法少女ものの形式に則ったSFテレビアニメ。

2011年の頭からテレビの地上波の深夜帯で放送していたので見ていたのだけど、第5話目で魔法少女同士が根拠薄弱な同士討ちを始めたのについていけなくなって視聴をやめた。しかしネットでやたら評判だし実際Blu-rayやDVDがよく売れているらしいのでもう一度見てみることにした。

魔法少女ものというと魔法使いサリーやらミンキーモモなんかの本当に少女というか幼女をターゲットにしたアニメとか実写なんかもあったっけかが最初だったけれど、いまは大きなお友達(オタク)も同時にターゲットにしたことで大ヒットしたプリキュアシリーズがあり、さらには幼女を切り捨ててオタク層だけを狙ってこれまたヒットしているリリカルなのはシリーズなんかがあり、この魔法少女まどかマギカは魔法少女ものの形式に従っているかに見せかけて視聴者の思い込みを裏切ってあっと驚く仕掛けを用意しているSF作品になっている。と思う。

最初は鹿目まどかの視点で、魔法少女の巴マミが格好よく活躍するところを見て、魔法少女にちょっとあこがれるさまが描かれる。魔法少女ものにありがちなマスコットキャラのような犬っぽい生き物の「キュゥべえ」が彼女たちの前にあらわれ、まどかに契約を迫って魔法少女になれと言う。しかし転校生にして魔法少女である暁美ほむらは、絶対に魔法少女になんかなるなと言う。

第3話でいきなりあっと驚く展開があり、少女たちはどん底に落とされる。そんな中で鹿目まどかの親友である美樹さやかは、魔法少女になれば何か一つ願い事がかなうというので、ひそかに思いを寄せている上条恭介が事故で一生使えなくなった指を回復させることを条件に魔法少女になることを選ぶ。新人魔法少女となって張り切るさやかだったが、隣の地域から利己的な別の魔法少女・佐倉杏子がやってきて対立する。

私は最初第5話でいったん視聴をやめたのだけど、次の第6話で魔法少女の仕組みについての真実が明かされて、少女たちが絶望する。その後、なんやかんやでドラマが繰り広げられたあと、これまで終始冷淡だった暁美ほむらが第10話で真実を語りだす。そして物語は最後の第12話まで一気に進んで終わる。

うーん感動した。第10話がすごい。SFを利用して作り上げた極端なシチュエーションによって、友達への愛が増幅されて胸にくる。やっぱりSFっていうのはこういう風に使わないとねえ。私にとって設定についていけないような作品が最近多かったけど、この作品はすごくハマった。登場人物の強い想いがほとばしっていてホロリときた。ラストはちょっと壮大すぎると思ったけれど、この物語の決着として心地よく終わってくれて、視たあとの印象がとても良かった。

難を言えば、繰り返すけれど第5話までが退屈で、第3話の衝撃的展開も単に奇をてらっているようにしか思えなかったのと、第6話の魔法少女のSF的からくりもインパクトだけ、それ以降の少女たちの絶望の話はとても良かったけれどいまいち「ゾンビ」が噛み合っていない感じがして一歩引いた目線で鑑賞してしまった。ネットでの評判を見てみても、私ほどではないにせよインパクトのある回以外は視聴者のテンションが下がっている様子をあらわしたAA(アスキーアート)があってウケていて私も笑ってしまった。でも熱狂的なファンが多くいて、90年代に国民的にヒットしたガイナックス「新世紀エヴァンゲリオン」に匹敵する作品だなとと主張していてさすがにそれは言いすぎだと失笑を買っていたりと、少なくとも特定の層には大ウケしているみたいだ。

第10話まで暗くて奇抜な話に耐えて視聴を続けられる人、SFに極端な拒否感を持たない人には是非視聴を勧める。

(最終更新日: 2016年4月29日 by ひっちぃ)

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