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のんのんびより 6巻まで

あっと (メディアファクトリー MFコミックス)

まあまあ(10点)
2014年2月11日
ひっちぃ

あまりに人口が少なすぎて小学生と中学生とが同じ教室で学ぶという超田舎で繰り広げられるほのぼのした日常の物語。マンガ。

2013年の秋にアニメ化されたのを見て、正直そんなに面白いとは思わなかったけれど、自分の好きな日常系の作品だったし、アニメ化によって零れ落ちた魅力が原作マンガにはあるんじゃないかと思って手を出してみた。まあそのまんまだった。

主要登場人物は四人いて、最初にモノローグを執るのが都会から転校してきた一条蛍(通称ほたるん)で、こいつは小学五年生なのに身長が高くて都会暮らしが長かったせいか結構大人っぽい。性格はおっとりしている。以降こいつの視点で物語が語られるかといえばそうではなく、割とワンオブゼムな感じ。あとで説明する越谷姉妹の姉の方を慕っている。

強いて言うなら一番主人公っぽいのが宮内れんげ(通称れんちょん)という天真爛漫な小学一年生の少女で、独特な語尾「〜のん」「…るーん」(方言?)とか、意味もなく「にゃんぱすー」などとあいさつをする。子供っぽく振る舞ったと思ったら急にハシゴを外して大人目線でクールに突っ込むというシュールなボケツッコミ役。こいつには歳の離れた姉がいて、なんとみんなの担任教師をやっている。ありがちなことに大人の責任を放棄しているいい加減な人。

越谷姉妹は両方ともボケ役で、妹は暴走キャラでよく凶暴な母親から叱られまくっていて、姉のほうは背が小さいせいか背伸びキャラで知ったかぶりとかお姉さんぶってよく失敗する。この姉妹には兄もいるけれど寡黙なキャラで、なすがままにされることで笑いを誘おうとしている。

ほかに、駄菓子屋の店番をしている女とか、普段は都会にいて時々やってきて自慢したがる少女とかが準レギュラー。

この作品の一番の特徴は田舎を扱っているところだけど、二番目の特徴は男キャラがほとんど出てこないことだと思う。越谷姉妹の兄はほとんど存在感ないし。つまりすごく男向けの作品になっていると思う。特定の層に向けて描かれた作品なんだろうけれど、田舎暮らしという一般的な題材を扱っているだけにちょっともったいない気がする。まあでも男の子を出したら、アホな男子が話をかき乱してしまうんだろうなあ。

この作品をあまり好きになれなかった。

キャラクターが好きになれない。たぶん好き嫌いの問題が大きいのだと思うのだけど、それとは別に構造的な問題もあると思う。この作品でたぶん一番の人気者は、れんちょんこと宮内れんげだろうけれど、こいつはただ天真爛漫なだけじゃなくて、まるですべてを見透かしたかのような悪意を持ったツッコミをする。ギャグとして面白いので笑えるんだけど、このキャラなんなの?って思ってしまう。誰か別のツッコミ役に横からフォローさせたほうがよかったんじゃないかと思う。

一条蛍が越谷姉を病的に慕っているのもおかしな感じがする。流行りの百合要素を取り入れてみました的な不自然さがある。子供が年上を慕うのって、強引に引っ張りまわされたり、子供らしい面であこがれる要素があったり、もっと自然な理由があると思う。越谷姉妹が中学二年と一年であそこまで身長差があったり、妹が姉をバカにしていたりするのも不自然な感じがする。世の中にはこういう兄弟姉妹もいるんだろうけれど、妹が姉に頭が上がらない要素がもうちょっとあったほうが自然だと思う。

定型があってそのとおりにキャラが振る舞って話が進んでいく感じがしてしまう。なんかもっとキャラの独自性がないと、記号を楽しめと言われているようで楽しめない。あ、こういう記号のほうが分かりやすくて消費しやすいんだと言われたら反論できないんだよなあ。

女の子たちの日常ものが好きな人なら消費して楽しめると思う。それ以外の人にはあんまり勧められない。

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