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惑星のさみだれ 3巻まで

水上悟志 (少年画報社 YKコミックス)

駄作(-30点)
2014年6月28日
ひっちぃ

大学生の青年・雨宮夕日が朝起きると大きなトカゲが目の前にいて話しかけてきた。世界を救うために騎士となって姫に仕えて敵の魔法使いを倒せと言う。リアリストの彼はトカゲの言うことを最初まったく信じなかったが、ちょっとした超能力が使えるようになったことや謎の泥人形に襲われたことで自覚し、使命よりも姫の自暴自棄な望みに惹かれて付き従うことを決意する。少年マンガ。

海外の反応系のブログで外国人たちの一人が好きな作品として挙げていて、ちょっと風変わりな題に惹かれたので読んでみた。でも全10巻のうち3巻まで読んでやめた。

題の「惑星」はたぶん地球のことで、敵の魔法使いが地球を滅ぼす手段として「ビスケット・ハンマー」という地球上空に浮かぶ巨大なハンマーを使おうとしていることから宇宙的な視点で「惑星」と言っているのだと思うけれど、なにぶん話全体の三割までしか読んでいないので確かなことは分からない。「さみだれ」のほうは姫である高校生女子の名前が朝比奈さみだれという変わった名前を持っているからなのだけど、これもたぶんダブルミーニングで物語の何かにあとで引っかけてくるのだと思う。

突如騎士となった主人公の青年だったが、姫はどこにいるのかと思ったら、ちょうど通っている大学の美人講師の妹が姫だった。なんだかんだで姉妹の家に入り浸る。姫を守らなければならないのかと思いきや、姫のほうが圧倒的な力を持っていてむしろ主人公の青年のほうが最初守られる形になる。ニヒルな彼がなぜ姫に付き従うことにしたのかというと、姫の自暴自棄だけど強い意志に強く惹かれたからみたいだ。

いきなり批判に入るのだけど、もう最初からワケが分からない。最初主人公の青年はトカゲの真剣な話を完全に無視し、主人公なのにアンチ物語的な毒を吐きまくっていたのに、小生意気な年下の女の子の言葉にコロッと惹かれる。で姫には絶対服従し、常に敬語でしゃべる。姫もそれが当たり前かのように振る舞う。こういうオタクが崇拝しそうな強い少女像を見ていると気持ち悪くなってくる。姫に付き従うようになるまで何かもっと展開があって欲しかった。こういう無条件な服従に近い従属を見ると、母親の支配から逃れられていない幼い精神の発露を見せられている感じ。

主人公の相棒はトカゲなのでトカゲの騎士と言われる。ほかに獣が全部で十二匹いて騎士団を構成している。でも最初は全員そろっておらず、話が進むに従って集まってくる。不可解なのは、いろんな獣が出てくるけれどこいつらはまったく戦闘に参加しない。トカゲは肩にのって喋ってるだけ。動物の意味ないやん。

主人公が身につけた超能力は、なにかモノを支える力場のようなものを作り出すことができるだけなので、自由自在に操っても防御とか跳躍とか地味な使い方しかできない。この能力を工夫して戦闘に役立てるのはちょっと面白いと思った。

主人公を突き動かしているのは、刑事だった父親が同僚の裏切りによって殉職したことで、主人公を引き取った祖父の病的なまでの愛情により仲間を作るなと言われ続けたトラウマだった。すごく不自然ですごく萎えた。百歩譲ってこの設定を受け入れたとして、こんな過去を持っているにしては現在の主人公は普通に大学の美人講師と話をしているし、人とそれなりの付き合いをしている。主人公が苦しんでいることが鎖という形で視覚的に描かれるたびに萎えた。

この話って主人公が人を信じることが出来るようになるまでの物語なんだろうか?と思うところだけど、序盤はとにかく主人公が強くなりたいと願うことで話が引っ張られていく。そうしないと自分が死んじゃうし、姫を守れないから。だからメインテーマ?が完全に置き去りになってるし、修業の過程で普通に騎士仲間や姫と仲良くしちゃってるし。もう意味がわからない。

主人公と姫とが相思相愛なんじゃないかという描写があるのだけど、まだ互いに無自覚なのか最初は所作がさりげなくて全然ときめかない。ちょっと頬を染められても意味わかんないし理由づけもいい加減だし。ただ、二人が時々共通の夢を見てその夢の中の世界では互いにちょっと正直になっているところは良かった。せっかく美人講師と姉妹なのに姫の姉のほうは色恋に絡んでこないんだよなあ。

というわけでさっぱり面白くないので読むのをやめた。人に勧めるのは難しい。

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