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花咲舞が黙ってない テレビドラマ版 第二シリーズ 第一話

原作:池井戸潤 制作:日本テレビ

いまいち(-10点)
2015年8月2日
ひっちぃ

銀行の支店を見回って指導する臨店班に所属する直情志向の花咲舞が、行く先々で出遭う不正行為や理不尽の数々に直言し、銀行を変えていく。

「倍返しだ」のセリフや土下座シーンの数々で知られる銀行を扱った大ヒットテレビドラマ「半沢直樹」の原作者の池井戸潤による、女版「半沢直樹」の花咲舞を描いた原作「不祥事」「銀行総務特命」がテレビドラマ化されたもの。テレビをあまり見なくなったのでこれが初ドラマ化と思って見ていたら、すでに第一シリーズが放映されたあとで、第二シリーズは特に「続」とか「2」とか付かずにそのまま始まっていたのだった。じゃあ「<新>」なんてつけないでほしい。

結論から言うとつまらなかった。

見ていて思ったのは、日本ってひどい後進国なんだなってこと。これだけ悪辣な上司がいて平気でウソをついているのに誰も文句を言えない。このドラマを見て共感できるのって日本人以外だと韓国人ぐらいなんじゃないかと思える。

だから、そんな社会の中でヒロインの花咲舞がいくら大活躍(?)しても、大したことないじゃんって思ってしまう。その花咲舞だって、日本的な社会の習慣から完全に抜け出ているわけではないので、ちょっと気持ち悪い甘えみたいなところが目についてしまう。つまり、本当だったらコンプライアンス(法令順守)の名のもとにただただ支店長を追い詰めるよう動けばいいのに、詰めが甘くて最終的には支店長自らの反省頼みになるし、それが当然のことながら失敗するとみんなの勇気に支えられて初めて事を成し遂げることになる。

ヒロインの花咲舞を演じる杏という女優の顔が気持ち悪い。もちろんこれは個人の好みの問題なのだけど、生理的に受け付けない顔だった。この役にあった外見ではあると思うのだけど、ヒロインとしての華がないと思う。

こいつの上司役の上川隆也とかいう俳優とのペアで、予定調和の「喧嘩するほど仲が良い」的な上司と部下のベタベタした関係を見せられるのも苦痛だった。さらに追加でヒロインの父親まで出てきて(料理屋を経営していて二人はよくそこへ食べにくる)、ヒロインが公務員の彼氏と別れた話を三人でするシーンなんて見ていられなかった。と思ったらWikipediaを見ると花咲舞の父親はドラマのオリジナルキャラらしい。

Wikipediaによるとこれでも第一シリーズは平均視聴率16%いっているらしいので、まあヒットしたといってもいいと思う。「半沢直樹」は28.7%らしいけど(最終話はなんと40%超え)。

花咲舞のキャラが好きになれなかった。こいつの長所は不正や不条理を見ると自分のことを顧みずに突き進むこと。そして事務処理能力が高いこと。第二シリーズ第一話の冒頭でヒロインの紹介も兼ねて小さな事件を解決するエピソードが描かれる。小物犯人役に芸人コンビアンジャッシュの児嶋が出てくる。レギュラーにドランクドラゴン塚地も出てくるのだけど、ドラマに出てくる芸人ってハマり役が多いのになんかいまいちに感じてしまうのは、普段お笑い番組で見過ぎているからだと思う。

「生意気な後輩の女の子」って日本人の一般男性の好みに直球でハマると思うし自分も大好きなのだけど、なんでこんなに花咲舞のことを好きになれないんだろう。なんか悪い意味で宇宙人みたいな感じがする。得体がしれない。第二シリーズ第一話しか見ていないからなのかもしれないけれど、ヒロインの素に触れる描写がないように思った。もし逆にこれが素なのだとしたら底の浅いキャラだしなあ。おいしいものに目がない描写も、かわいげがあるとは取れなかった。

敵役がよかった。支店長役の寺脇康文のたまに不安定なところが目についたけれどいい悪役っぷりだった。時計を鳴らすクセの演出がちょっと面白かったと同時に、露骨すぎて「演出とは何か」という物語とは関係のないところに楽しみを見出してしまった。常務に昇進したらしい黒幕役の生瀬勝久はもうこの分野の第一人者なんじゃないだろうか。「半沢直樹」でも大和田常務役の香川照之のちょっとコミカルな演技が大人気だったから、喜劇役者で最初から狙ってるのが見え見えの配役。

「半沢直樹」は話の筋が面白くてテンポが良かった。でもこの「花咲舞〜」は少なくともこの第二シーズン第一回の話は全然面白くなかった。キャラクター紹介に走っているのだけど、そのキャラクターもいまいち魅力がないので、続けて見ようと思わなかった。Wikipediaの独自研究くさい記述によると原作の花咲舞はオヤジくさくてあまり女の子っぽくないらしい。そのあたりのテレビドラマ版の脚色が余計なんだろうか。いまの時代、こんなヒロインって人気出るんだろうか。ヒロインを好きになれそうなら見てみてもいいとは思う。

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