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ミリオンガール

桃雪琴梨 (講談社 講談社コミックスなかよし)

まあまあ(10点)
2016年5月8日
ひっちぃ

幼い頃に家族を亡くして叔父に引き取られた女の子の琥珀幸は、自分のことを道具としてしか見ていない叔父によって金持ち学校に入れられ、琥珀色のきれいな髪を使って家名を高めろと言う。そんな叔父は事業が失敗して夜逃げし、一億の借金を背負わされた幸は、学校で開かれる大金を掛けた闇のゲーム「ミリオンガール」に参加することになる。少女マンガ。

低学年向けの少女マンガ雑誌で、福本伸行「カイジ」みたいなえげつないギャンブルものの作品があるというので見てみた。まあまあ面白かった。

主人公の女の子は結構かわいい子なのだけど、意地の悪い叔父のもとで暮らしていたにも関わらずめげずに明るく元気にすごしていた。しかしさすがに一億の借金を背負わされてしまい絶望する…かと思ったら、けなげにも戦うことを決意する。

とはいってもまっすぐ育った女の子なので、甘っちょろくてお人よしで付け入られる。人を人とも思わない題材で繰り広げられる「裏切り者ゲーム」などで当惑し現実を突き付けられ追い詰められるが、希望の光に導かれて勝利をつかんでいく。

なんて言ってみても単行本たった3巻しかないのですぐ終わってしまった。割と面白かったのにどうしてだろう。低学年の女の子向けなのに内容がえげつなさすぎるからかというとそうは思えなくて、いまの女の子だったらこのぐらいむしろ好みそうな気がする。作者が続けられなくなってしまったんだろうか。

1番目のゲームは、学校のある男の子がある女の子に告白したが付き合うかどうか?というのを「はい」か「いいえ」で答えるというもので、ヒントをお金で奪い合って推理対決するという趣向になっている。お金で奪い合うということに当惑した主人公の女の子は対戦相手にあらかたヒントを奪われてしまう。最終的に出題側の恣意的な部分が左右してしまうのが難点だけど、ちょっとゲスいところも含めて意外性があってまあまあ面白かった。あと対戦相手のボーイッシュな女の子ケイト(珪人)がかわいかった。

2番目のゲームはシンプルなカードゲームなのだけど、イカサマを仕掛けられて追い詰められる。今度は純粋に頭を使って相手を出し抜くゲームになっていて、前のゲームとは違って友情で勝利を掴むという、ある意味つまらない(?)流れになっている。このゲーム、ルールは結構シンプルだと思うのだけど、それでもカードに埋め込まれたICチップがどうのとか、カードの組み合わせや確率といった、低学年女子にはちょっと難しい(?)ところがあったのが良くなかったのだろうか?

最後のゲームは主催者のイカサマに対抗するという謎解きものの要素が強いものになっている。ちょっと出来過ぎた感があるけれど、イカサマ破りの方法としてこれ以上ない明快なことをやってのけて勝利を掴むところが良かった。

最後にご丁寧にも伏線を回収して作品を終わらせている。こういうところも含めて、いきなり終わってしまって残念に思った。登場人物も魅力的だったし話もそこそこ面白かったのになぜだろう。

絵は低年齢層向けの少女マンガ的なハンコ絵ながら、すっきりした線で見やすくてかわいくて良かった。

いま思ったのだけど、男の子をもっと出すべきだったと思う。「ミリオンガール」の主催者であるレオン(雨音)ぐらいしかいないんだよなあ。主人公の女の子の幼馴染枠で口が悪くて子供っぽいけど心配してくれるようなかっこいい男の子がいたら良かったのかも。恋愛らしい恋愛も描かれないし。

人に勧めたくなるほどの作品ではないけれど、恋愛ものじゃないストーリー志向の少女マンガが読みたい人には手ごろではあると思う。

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