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#失踪 若者行方不明3万人

NHK (NHK総合テレビ NHKスペシャル 2018.4.7 21:00〜)

いまいち(-10点)
2018年4月8日
ひっちぃ

未成年の少女たちがSNSで通じ合った見知らぬ男性の家に転がり込んで失踪するという現象を取り上げたNHKのドキュメンタリー番組。

失踪の原因のほうに興味があったので見てみたのだけど、取り上げられていたのは主に失踪自体の過程とその後の流れだった。しかも出てくるのは少女ばっかりで男の子は出てこなかった。題に「#」がついているのはハッシュタグを意味しているのだろう。

要はスマートフォンなんかでSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って簡単に家出先を見つけられるようになったらしい。泊めてくれとSNSで発言したら五分もしないうちに十数件ぐらい返信が来るとのこと。情報化社会は家出まで手軽に出来るようにするのだった。

家出の原因は複雑な家庭環境が中心だと思っていたけれど、一人目の少女は母親から勉強しろと言われ続けていたことがイヤでしょうがなかったらしい。国公立を目指していたというからそこまで頭が悪かったわけでもないようだし、家出してからも単語帳を持ち歩いていたという。複雑な家庭環境の子については詳しくは触れていなかった。

家出を受け入れる男性は大体性交渉を目的としているらしい。そりゃそうだ。女性が女の子を受け入れたら一番いいんだろうけど、やっぱり不純な動機でもないとこういうリスクのあることはしたくないんだろう。もし自分が受け入れるとしたら通帳とか実印はどうやって保管したものかと思った。あ、これ窃盗団に利用できそうな気もする。

未成年の家出を受け入れると犯罪になる。判断能力のない子供を連れ出すのは誘拐にあたる。助けたいという気持ちがある人もいるだろうけれど、親からすれば誘拐と変わりない。それは分かる。でも、その子供に家出を決意させた親にも何かしら罪があるんじゃないだろうか。子供のことを心配するっていうけれど、そんな資格あるんだろうか。あ、罪にしちゃうと子供が親の脅しに使っちゃうか。いや、子供のほうも親元を離れて別の環境で暮らさなきゃいけなくなるからよっぽどの決心がいるだろうし、問題ない気がする。まあ素人がちょっと思いついた程度のことはすでに検討済みなんだろうけど。

家出を受け入れた男性にもインタビューをしているのが興味深かった。三人の子供がいたけど離婚して一人で暮らしていた人で、寂しい気持ちがあったという。女の子と仲良くなりたいという気持ちがあってかSNSで探していたら、誰か相手をしてくれる人を求めている子を見つけたけれど、すぐには声をかける気になれずにいたら、その子が「誰も相手をしてくれない」とつぶやきだしたので、18時間かけてバイクで青森まで迎えに行ったとのことだった。

子供には判断力がないから守らなければならないというけれど、自分はこの考え方には反対だ。子供は結局親から虐待されるか他人から嫌なことをされるか、どちらかになるだけのことだ。親からの虐待が確定しているならまだ他人の善意の可能性に掛ける方が分のいい掛けじゃないだろうか。

それに、判断能力のない子供に強い影響を与えるのは親だろうと学校だろうと他人だろうと誰でも変わりないんじゃないだろうか。たとえば、弱っている男性にやさしくするのは判断力の低下に付けこむ行為なので禁止です、とか言われたら女性はどうするんだろう。大人だからいいと言うかもしれないけれど、そこに本質的な違いはあるのだろうか。判断能力じゃなくて責任能力ということなのだろうか。それぞれのケースの状況を見て判断したほうがいいんじゃないかと思う。近所のおじさんに影響されてYoutuberになる決心をした子供がいたら、親はそのおじさんを訴えられるんだろうか。手ごめにして男をあてがって金をとらせる商売だとか、逆に職業上の立場を利用して教え子と親しくなっちゃう教師だとか、そういう特殊な例だけを罰すればいいと思う。

経済的に女性が強くなったことが婚姻率を下げているとも言われているのだし、男が若い女の子を好きになるのは生物学上当然のことなのに犯罪にしてしまったりと、下心を否定する社会は長く続かないと思う。

話が脱線したけれど、番組ではSNSの時代に家出したがる子供を救うための団体の活動を取り上げていて、SNSで対話をしたり実際に会ったりしてケアをしているという。多方面に取材していて手堅い造りだなあと思った(まる)。

家出したい子を従業員として雇って商売をしている居酒屋の店主も出てきた。家出を助長しているのではないか、と記者が突っ込んでみせると、店主は家から引っ張り出しているわけじゃないと返す。なんか妙に出来過ぎたやりとりのように思えたけれど、編集がきれいすぎるのが不自然に感じるだけで、それぞれの立場の人の言い分を手堅くまとめているんだなあと思った。その店も店主の家に住み込みじゃなくてちゃんと寮を用意しているから下心じゃないし、賃金も手取り17万というからそんなに低いわけじゃなかった。貧困ビジネスなのかもしれないけれど、もし自分が親だったら多分感謝すると思う。この人がいなかったらきっと家出しなかった、なんてことを言えるはずがない。でもこの店主がビジネスを拡大しようとしているところには笑った。

SNSの時代の家出という世相は伝えていると思うけれど、これって繁華街にいる家出少女が現実世界で声を掛けたり掛けられたりするのとどう違うの?って思った。AIを使ってSNSのログを解析して、とかならまだ分かるんだけど、やってることは人間同士で変わらない。わざわざあらためて一時間のドキュメンタリー番組にする必要があったのかどうか疑問だった。

例によって何度でもいうけれど、NHKは必要最小限の規模に縮小すべき。ドラマとかバラエティなんかやってるのはおかしい。国営放送でもないのに法律でテレビの受信設備を設置していたら受信料を払わないといけないのもおかしいし、民間企業だからと関連企業を作りまくって黒字を移転しまくってNHK本体は国から補助をもらっているし、社員は高給をむさぼっている。ニュースと災害情報を中心とした核だけ国有化して税金で運営し、それ以外の部分は民放と同じようにするべき。金をとりたいならスクランブル放送にでもすればいい。

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