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W60

Westone

まあまあ(10点)
2018年5月1日
ひっちぃ

アメリカで主に補聴器を出している音響機器メーカーWestone(ウェストン)の民生用イヤホンで、音楽を気持ちよく聴くことを目的に出しているWシリーズの上位機種。小さいボディに精緻な音を出すバランスドアーマチュア型ドライバを6基搭載し、同社ならではの心地よい音を聞かせてくれる。

同社のプロ向けモデルUM-PRO50を買ってずっと聴いているうちに地味にハマってきたので、民生用のほうも気になったので欲しいなあと思っていたら、カメラや音響機器の専門店フジヤエービックの2018年の福袋にこのWestoneのものがあったので買ってみた。買ったのは十万円の福袋だったのだけど、きっとこのW60が、あるいは運がよければ最上位機種W80が入っているんじゃないかと思って開けてみたら、案の定このW60と諸々が入っていた(いま考えたらUM-PRO50とデジタルオーディオプレイヤーが入っている可能性もあったので危なかった)。当時はW60単体が同店のセールで8万円ぐらいで売られていた。ちなみにヨドバシだと12万円台の値札がついている。ちなみにこのときWestoneが欲しくなったことにより、Massdropで注文していたNoble Audio K10UAをキャンセルした。K10UAの製造遅延がなければ、さすがにこんな高いイヤホンを続けて買うこともなかったからW60は買ってなかったと思う。

最初に聴いてみて思ったのは、高域は出ているけれどUM-PRO50のようなジワジワと染み出てくるような感じがそんなにしなかったので、ちょっとこれじゃない感を感じてしまった。もし試聴していたら買わなかったんじゃないかという気すらした。UM-PRO50の大きな弱点である高域の閉塞感がないという点では申し分なかったのだけど、肝心のジワジワと染み出てくる感じがUM-PRO50と比べて少なかったので、しょっぱいから少し水で薄めました的な感じがした。

でも聴いているうちに、このバランスは絶妙なんじゃないかと思えてきた。日によってUM-PRO50とW60を交互に聴いているうちに、W60を持って出かけたいと思うことのほうが多くなった。一番の理由は、やっぱり高域が出ていて気持ちいいからだっていうのもあるけれど、出ているだけでなく聴きやすく整えられているという点が良かったから。UM-PRO50にT8ie mk2付属のバランスケーブルをつけて聴くと高域の閉塞感が多少和らいだのだけど、それでもやっぱりW60のほうが高域に魅力を感じた。

高域の素晴らしさは手持ちならJH AudioのAngieやRoxanne IIのほうが自然で精緻なんだけど、音源やプレイヤーの音質が良くないとパッとしない音にしかならないのに対して、W60にはなんというか作られた響きがあってそれがヘボい録音でも心地よく聴かせてくれる。

なにかに似ていると思ったら、音がB&W P7 Wirelessにそっくりだと思った。

W60のパッケージにはMade for iPod, iPhone, iPadと書かれているのだけど、iPhone 6のイヤホンジャックに刺して聴いても素晴らしい音が出た。iPhone限定で言うなら今まで聴いた中では最強だと思う。ヘッドフォン祭りでライバルのShure SE846をiPhoneで聴いたときは、会場が騒がしかったせいもあるのかもしれないけれど全然パッとしない音で、買う気満々だったのがすっかり失せてしまったのだけど、もしこのときW60も聴いていたらすぐ買っていたかもしれない(というかなぜこのときiPhoneしか持っていなかったのか)。まあそのiPhoneも最近のモデルではイヤホンジャックが廃止されてBluetoothがメインになっちゃったけれど。

こいつの弱点は、いいプレイヤーで聴いてもそんなに音が良くならないことだろうか。ハイパワーなFiio X7 mk2 + AM5で聴いても、バランスケーブルにしてONKYO GRANBEATで聴いても、作られた感じの音がそのままパワーアップする感じなのであまりメリットを感じない。福袋で一緒についてきたBluetoothケーブルで聴いても十分だと思った。そっちのほうがケーブルがわずらわしくなくてコンパクトなのでいい。むしろBluetoothと相性がいいことがいまの時代では逆に長所なんじゃないかと思う。まあセットが実売で十万近くするんだけど。

ただし純正のBluetoothケーブルが鬼門だった。買った当初から右側の端子が接触不良気味で、聴いているうちに音が若干小さくなったり、時々ノイズが出たりしたので、そのたびにケーブルをまわして調整していた。福袋に入っていたものだし、このぐらいの不良ならまあいいかと一か月ぐらいそれで我慢して聴いていたのだけど、しまいにはうまいこと調整しないとろくに音が出ないようになってしまったので、販売店に持って行って修理なり交換なりしてもらうことにした。それから確か二週間ぐらいして新品が送られてきたのだけど、なんと今度は電源すら入らなかった。さすがにあきれたので返送して対応を待ったら、販売店のフジヤエービックがあまり待たせるのもなんだからと代理店への仲介とは別に在庫品をすぐ送ってくれた。前みたいなことがないように新品を店で開封して動作確認してから送ろうかと言ってきたのでお願いしたらさすがに今度は大丈夫だった。それから一か月以上使っているけれど何の問題も起きていない。

正直、こんな感じの音だけ欲しいんだったら、B&W P7 Wirelessのほうがずっと安くていいと思う。ただ、P7は密閉型とはいえヘッドフォンなので通勤通学電車などの騒音の大きい場所ではまったく使い物にならないのに対して、このW60はカナル型の中でも非常にコンパクトで密閉性が高いので問題なく使える。そこに十万つぎ込めるかどうかだと思う。

ポータブルオーディオに縁がなかった人に十万で出来るだけいい音を聞かせようと思ったら、このW60は自分の中で一番の候補になると思う。まあそういう人がいきなり十万出すわけがないのであまり現実的ではないのだけど。こいつが気に入らなければShureのSE846になるんだろうか。自分にはいまいちだったけれど。ShureはKSE1500がすごく良かったけれど三十万超えだし。

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