評 review の RSS
評 review の静的版 とその ziptar.gz
表 top
評 reviews
称 about us
・ 全カテゴリ
  ・ ハードウェア
    ・ パソコン
      ・ VIVE

VIVE

htc

まあまあ(10点)
2018年11月26日
ひっちぃ

台湾の精密機器メーカーhtcが開発したPC用のVR(バーチャルリアリティ)対応3Dヘッドマウントディスプレイとセンサー類のセット。部屋に設置した二台のセンサーで顔の位置や向きやコントローラ操作を検知することで、あたかも仮想空間の中にいるように音や映像を出したり操作を反映させたりするソフトを楽しめる。先行したoculus riftとの最大の違いとして、八畳程度の部屋全体をカバーするほか、PCで独占的なシェアを持っているsteamというプラットフォームに最初に対応したことで、この分野で実質的に最もメジャーなハードウェアとなったこと。

ヨドバシカメラで買い物をすると通常は購入金額の10%分がポイントとして貯まり、そのポイントは現金と同じようにヨドバシカメラでの買い物に使えるのだけど、ポイントで引き換えた分に対してポイントはたまらないため、Apple製品など一部の製品のようにポイント還元率の低いものを買うときのためにとっておいていたところ、ポイントが13万円分以上たまってしまった。ポイントには期限とかカード紛失時の保証の上限があるのでそろそろ使わなきゃいけないなと不安に思っていたら、このhtc VIVEが七万円弱に値下がりしてポイント1%還元という絶好の(?)還元率だったため、大して欲しいものではなかったのだけどいずれ流行りのVRとやらを試してみたかったこともあって衝動買いしてしまった。

いままでの3D対応のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)とどこが違うのかというと、頭の向きを感知するセンサーがあるので、右に左に顔の向きを変えるとそれに合わせて画像を変化させることが出来るため、画面に映し出されている世界に本当に入っているような感覚を味わえる。

この本当にちょっとした工夫が人間の感覚を見事に騙せてしまうことに最初に気づいたのは、いまはFacebookに買収されたoculusというベンチャー企業だったのだけど、もったいつけてもたもたやっているあいだに台湾企業のhtcがこのVIVEで市場を奪ってしまった。割とマニアックな機器なのだけどCMやバラエティ番組なんかでたまに見かける程度に知られている。

前置きはこのあたりにして実際に自分で試してみた率直な感想を言うと、想像していた以上にすごかった。WevrのtheBluというあたかも深海の中にいるかのように映像を見せてくれるデモは、ただ見ているだけのソフトなのだけど非常に幻想的で美しく、見てよかったと思えた。VRはまだまだ発展途上で、特に解像度が低くて画像が荒いとか言われているけれど、深海の暗い映像だとほとんど気にならなかった。ただ、視野が狭いので、潜水ゴーグルをつけているような若干のぞき込むような感覚だった。

次に前述の主にゲーム向けのPC用プラットフォーム(iOSのApp StoreやAndroidのGoogle Playみたいなもの)steamを運営しているValveによるフリーのミニゲーム集the Labをやってみた。VRで出来る色んな操作がそのままいい感じにゲームに取り入れられており、一通りのVRゲーム体験が出来たと思う。

Viveのコントローラは任天堂のWiiのスティック型リモコンに似ているので、ちょうどWii Sportsをやっているような感覚だった。Wiiの場合、リモコンは色々振り回せるのだけど表示される画面は平面なのであくまで画面の中のキャラクターを操作している感覚なのに対して、Viveの場合はゲームの中に自分が入っているような感じがした。ミニゲームの中に三次元シューティングがあるのだけど、リモコンを持っているのにあたかも飛行機の模型を手で持っているかのようで、前方からくる敵の弾を模型飛行機に避けさせているような感覚だった。

任天堂といえば迷作「3Dボーイ」というハードがあったんだった。コントローラとゴーグルが一体化したような携帯型ゲーム機で一時期話題に上がったのだけど、ほとんど売れなかったらしい。3〜5種類ぐらいソフトがついて一万円ぐらいで投げ売りされていたのを見つけた時に買っておけばよかった。横井軍平がまだ生きていたらVRをやっていたんだろうか。

VRと言えばジェットコースターを楽しめると聞いていたので、Spectral IllusionsのGhost Town Mine Ride & Shootin' Galleryという炭鉱のトロッコに乗ってゾンビとか出てくる怖いガンシューティングを遊んでみたところ、薄暗い炭鉱の雰囲気が本当に怖くて、途中でイヤになってやめてしまった(苦笑)。本当に心臓がドキドキした。感覚的にPlaystation 3ぐらいのグラフィックスなので荒いといえば荒いのだけど、臨場感はかなりあった。

他にも色々と面白そうなのはあったのでいくつかやってみたのだけど、現在自分はまったくVRを楽しんでいない。それにはいくつか理由がある。

まず一番の理由は、ほとんどのゲームがせいぜい佳作レベルのアクションゲームだということ。正直遊び続けたいと思うほどの良作には出会えなかった。というのも、二か月無料のvive portというサブスクリプションつまり低価格ゲーム遊び放題プランでしか遊んでいないから。遊び放題といっても一か月ごとに好きなソフトを最大五つ選んで遊べるだけなのだけど、本当にミニゲーム程度のものしかない。

一応大作として、核戦争後の未来の荒廃した地球でサバイバルするFallout 4というRPGのVR版が出ているのだけど、Skyrimも途中で投げ出した自分が洋物RPGを遊び続けられるのか自信がなかった。VR版は一万円近くするのでおいそれと手を出せない。じゃあ七万もするViveをなぜ買ったと突っ込まれそうなのだけど、そこまでしてガッツリとゲームをしたい気分でもなかった。というか自分は任天堂「ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド」ですら途中で投げ出してるんだった(ゾーラの村に着いたとこでとまった)。

ほかに、カプコンのバイオハザードのVR版がPlaystation VR向けに出ている。本当に怖いらしい。っていうか自分はVRじゃなくてPlaystation版でも怖くて遊ぶ気になれなかった。まあ怖い以外にも残弾や残りアイテムを気にしながらプレイしなければならない神経質なゲームシステムがイヤだったんだけど。

手軽に遊べて奥が深いゲームはないんだろうか。自分にとってコロプラ「白猫テニス」がそうだったんだのでここ一年以上ハマっているのだけど、ガチャゲー(基本無料だけど万単位のお金を使ってクジ引きを引いて人より優位に遊べるタイプのゲーム)なので最近はインフレがひどすぎてついていけなくなりつつある。

VRにはいくつか問題というか課題があると思う。

まず、移動がどうしても不自然になること。ViveはいわゆるルームレベルタイプのVRデバイスなので、八畳ぐらいの空間の中を歩き回れるようになっている。でもたった八畳では世界を歩き回るには狭すぎる。自分が試したアプリだと、移動したい場所をコントローラで指してボタンを押すと瞬間移動するものとか、移動したい方向に懐中電灯だかランプだかを向けてボタンを押すと滑るように移動するものなんかがあったけれど、VRの没入感に比べると不自然な感じがした。じゃあどうすればいいのか。スラスターつまりジェット噴射を利用して宇宙空間を飛ぶようなイメージだったらかなり自然なんじゃないだろうか。

人間は実際に足を動かさなくても仮想空間に没入することは出来ると思う。むしろ、仮想空間ならではの移動の仕方に慣れてくると、仮想空間での移動のほうがしっくりくるようになる気がする。そのぐらい人間の脳というのは色んなものに適用するものだと思う。

いまのVRの最大の利点は首を回すことで直感的に視界を操れることにあるので、左右を気にするタイプのゲームがぴったりだと思う。まあFPSみたいなシビアな撃ち合いのゲームだと、首を動かしているうちに疲れてきそうだしキーボードで操作したほうが楽なのかもしれない。でも体の色んな感覚をフル動員して色んな部位で操作できたほうがきっと面白いと思う。

いま市場に求められているのは、VR「でも」遊べるゲームだと思う。普通の画面でも遊べるけれど、せっかくだからVRで遊びたい。そのぐらいのバランスで開発したほうがいいと思う。音ゲーなんかいいんじゃないだろうか。仮想空間の中のドラムを叩くのは簡単だと思う。あ、叩いた時の跳ね返しがないのか。普通のゲーム機だけでも遊べるけれど、極めたいならVRを使って操作したほうがいい、みたいな感じ。

VRは開発費が余計に掛かるというけれど、そんなに掛かるんだろうか。普通のゲームを3Dにしてしまうソフトもあるみたいだし、技術的にはそんなに大したことないと思うのだけど、素人の考えなんだろうか。3Dはちょっと視点をずらした二枚の絵を描くだけだし、首の動きだって視点の向きを変えるだけだ。何がそんなに大変なのだろうか。

自分の場合はハードウェアが不安定だった。Windows 10の自作PCにnVidia GeForce GTX 1070を差してviveをつないだのだけど、途中でドライバがハングアップして何度もゲームが落ちた。Windows自体やドライバをアップデートしたらそこそこ安定するようになったけれどまだ不安が残っている。センサーもたまに見失うことがあった。センサーのファームウェア更新に一個失敗してネットで調べて面倒な操作を強いられた。これある程度PCの知識がある人でないと手を出さないほうがいいと思う。

VIVEを普通のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)つまりゴーグル型ディスプレイとして利用できないかどうかも試してみた。すでにネット上で色んな人が言っているように、そんなに実用性はなかった。仮想空間の部屋の中の大きなテレビを見るような感じになる。解像度が低いし、装着感がよろしくない。目の前のモニタで見た方がずっといい。向きがあるので寝っ転がって見れないし。ちゃんと設定すれば首の向きに関係なく映像を映せるんだろうか。アダルトコンテンツなんかで360度見回せるエロ動画なんかがあるらしいけれど、普通の映画や動画を見るのには向いていない。

遊ぶのに時間のかかるゲームをやる暇がない人で、高くてもいいから最新のゲームに触れておきたいというのであれば、もうこれしかないというぐらいにぴったりハマると思う。でも、これらの条件に一つでも当てはまらない人には、まだまだ早いんじゃないだろうか。正直自分にはまだちょっと早かったと思う。tsukumo(ツクモ電機)の店頭でやってたデモで体験していたら、面白いとは思っても多分買わなかったと思う。

コメントする 画像をアップする 戻る

Copyright © manuke.com 2002-2018 All rights reserved.