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あそびあそばせ 7巻まで

涼川りん (白泉社 ヤングアニマルコミックス)

傑作(30点)
2019年2月4日
ひっちぃ

転校してきたアメリカ人の美少女オリヴィアに日本の遊びを教えることになった中学生の華子だったが、彼女があまりに過激なことをするため、たまたまクラスに居残っていた香純にその役を押し付けようとする。三人の思惑が交錯し、「遊び人研究会」が発足する。たぶん少年マンガ。

2018年にアニメ化されたのを見てとても面白かったのでこの原作に手を出してみた。面白かった。

この作品はいわゆる日常系で、三人の中学生女子がたわむれたり生徒会や将棋部なんかと衝突したりするだけの話なのだけど、強烈などつきあいと下ネタが話題となった。最初の話からして一見清楚な白人美少女のオリヴィアが華子に本気でビンタしたり香純がオリヴィアの鼻の穴に指を突っ込んだりしているほか、中学生らしく(?)うんこやちんこなんかをネタにしてキャッキャしている(それは華子だけか)。

最初に一人称視点となっているのが地味メガネ風の香純で、三人の中で一番の常識人でツッコミ役になることが多いけれど、勉強ができず胸が大きいというギャップがある。また、BL趣味があり自らの趣向を恥じている。普段はオドオドしているけれどキレると大胆になる。

もっとも天真爛漫で毎回話を引っ掻き回すトラブルメーカーなのがおさげ髪の華子なのだけど、こいつは実家が大金持ちで学力も非常に高い。スポーツもできてソフトテニス部で活躍していたが、妙に空回り気味でスクールカーストで上位に行けず鬱屈した日々を送っている。胸が大きくならないのを気にしている。

白人美少女のオリヴィアは実は日本生まれの日本育ちで、むしろ英語がまったくしゃべれないどころか英語の成績も非常に悪い。最初は面白半分に日本語が片言なフリをして遊んでいたが、本当のことを言うタイミングを逃してしまい、美しい外見もあってクラスで浮いてしまう。白人らしく体臭がキツいことをネタにされる。

この三人は「遊び人研究会」なる同好会をでっちあげて部室を占拠しているのだけど、部室争いに敗れた将棋部が時々仕掛けてきたり、生徒会に目をつけられて取り潰されそうになったり文化祭の企画に横槍を入れられたりする。また、超常現象科学部の意味不明な活動に巻き込まれたりもする。

自分は日常系の作品が好きだけど、かわいい女の子がかわいいことをするだけの作品は嫌いなので、かわいい女の子がしょうもないことばかりするこの作品がすぐに好きになった。

ほかにリア充つまりまともに友情したり恋愛したりする層を妬んだり、くだらないゲームとかアイテムを持ち込んでみんなで遊んだりするのが主な話のタネとなる。化粧用のポーチのことを「悪魔の布袋」と呼ぶところとかウケた。

脇役がそれなりに魅力的で、三人に対してそれぞれの絡み方をしてきて面白い。自分が一番好きなのは顧問の女の先生で、学校のOBで独身で適度なブスなのだけどちょっとかわいい。基本的には教師の立場を守るのだけど、子供っぽいところもあって時々三人に絡まれる。担任の男の国語教師は、普通の大人として三人をたしなめる役を担いつつも、たまにちょっとおかしいところを見せるのがクスッとくる。

自分が一番嫌いなのは華子の執事の前多で、まあ面白いキャラなのだけどなんとこいつはお尻からビームを出せるらしい。こいつのせいで作品世界が無意味にSF化してしまっている(まあほかにも華子のおじいさんが財力ですごいロボットを作ったりしてるんだけど)。ギャグマンガなんだからなんだってあるほうが面白いとは思うのだけど、なぜか自分は妙にしらけてしまった。

華子は大金持ちのお嬢様だけど露骨な金持ちネタがあんまりない。前述の執事の前多が華子のそばに付き従ってはいるけれど、用があるときだけしか姿を現さない。本来金持ちの家庭の子供はちゃんと教育を受けていてヘンな金の使い方をしないものだから、これはリアリティがあると思う。一方でオートクチュール(オーダーメイド)で悪魔の子供みたいな服を仕立てて真面目に着ているズレたところもあってウケた。

作中登場人物が何度も変顔をしてかわいくて面白いのだけど、それが最高潮に達したときの顔がなんか雑でとても見苦しく感じた。

オリヴィアがやっぱりかわいい。表情が豊かだし、なにげに魅力的なポーズやしぐさが多い。彼女にはガチオタ風のキモい容姿をした教養のあるお兄ちゃんがいるのだけど、そんな兄を真剣にちょっと尊敬している天然なところもかわいい。オリヴィアかわいい。

いま思ったのだけど、この作品のノリは桜井のりお「みつどもえ」にちょっと通じるところがあるかもしれない。下ネタ具合といい等身大(?)の女の子たちがギャグをやっているところといい。男の子はほとんど出てこないけど。そういえば桜井のりおが新連載「僕の心のヤバイやつ」をはじめていたので見てみたら、相変わらずちょっと変わった女の子を扱っているところは変わらないけれど、変わっているのは山田さんだけでそれを鬱屈した男の子がひねくれながら観察するという、ちょっと売れ線に寄せた作品みたいになっていた。自分は「みつどもえ」の女子全員イカれているところが大好きだったのでちょっとさみしいけれど、相変わらず作者の狂気が感じられるこれからがちょっと楽しみな作品だった。

ギャグマンガが好きな人なら楽しめると思うし、それに加えてヘンな女の子たちが好きという特殊な好みを持っている人にとっては最高級の作品だと思う。

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