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ロメリア戦記 〜伯爵令嬢、魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織する〜

漫画:上戸 亮 原作:有山リョウ キャラクター原案:コダマ

いまいち(-10点)
2023年7月17日
ひっちぃ

魔王を倒した王子一行にあって後方支援の役をしていた伯爵令嬢ロメリアは、他の女にそそのかされた王子から役に立っていなかったと言われて婚約破棄され一行から追い出される。いまだに魔族が国内でうごめく中で危機感を持った彼女は、領地の片隅にある辺境の地を自分の手で強化し魔族の襲撃に備えることにする。小説投稿サイトに上げられた作品をコミカライズしたファンタジー作品。

小説投稿サイトで転生ものではない純粋なハイファンタジー作品としてランキング上位にあったみたいだし、自分の好きな領地を経営するタイプの作品だというので読んでみた。なんかいろいろおかしくてあまり楽しめなかった。

ヒロインが後方支援つまり物資調達とか補給といった兵站の専門家だというのが渋すぎる。王子一行の金遣いが荒いのでやりくりに苦心し、王子の周りには様々な技能に秀でた女たちがいてギスギスした人間関係があり、最後は世間知らずの王子自身から追放されてしまう。聖女と呼ばれる女が全然聖女じゃないのがウケた。まあこの女も孤児から引き上げられて教会の言いなりになるしかなかったかわいそうな女みたいなのだけど。

王子から婚約破棄されたロメリアは実家にも居づらくなり、自分の裁量が活かせる辺境の地へと赴くのだけど、守りが必要な地なのに兵士が少ないので新兵を育て始める。この兵士との距離感がなんか違うなと思った。ロメリアは人情にあついキャラだから末端の兵士たちにも親身になって接するのは当然なんだろうけど、そもそも後方支援の専門家がいちいち人情に篤かったら仕事にならないと思う。

というか上級貴族である伯爵の娘として育っておきながら村人とこんなに近い距離で話をするなんてありえない。勝手に愛称で呼ばれて喜んじゃってるし。現代の価値観を持った転生者だったらまだしも、こんないい加減な設定でハイファンタジーを気取るのはなんだかなあと思った。そういう設定にするんだったらなにかしら生い立ちの描写が必要だったと思う。

こいつが修道院や商人や建築業者とうまいこと交渉して彼らからいろいろと引き出すのだけど、もうキャラに納得がいっていないのですべてが虚ろに感じてしまう。使用人とか教師との距離感もうそくさいし。せっかく話の筋や展開はいいのに全部台無しだった。

そもそも「ロメリア伯爵令嬢」と呼ばれるところからしておかしい。人のことを直接「伯爵令嬢」と呼ぶことがヘンだし、少なくともここには家名が入るはず。ピクシブ百科事典にはキャラ紹介で「グラハム伯爵令嬢」と正しく書かれていて笑った。

自分はいろいろ考えすぎなんだろうか。あまり細かいことが気にならない人なら、伯爵令嬢という高い社会的地位にありながら下々の者にやさしくてかわいくて有能なヒロインが人々を魅了しながらいろんなことを成し遂げていく成功物語として素直に楽しめるのかもしれない。

[参考]
https://magcomi.com/episode/
3269754496701225669

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