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Sid Meier’s Civilization VI プレイ6時間ちょっと

開発: Firaxis Games, 発売: 2K Games, 販売: Take-Two Interactive

いまいち(-10点)
2024年8月6日
ひっちぃ

文明の指導者となって古代から現代にかけて都市を作って発展させ、いくつかある勝利条件の一つを満たすことで地球上の覇者となることを目指す、戦略ゲームの代名詞と言えるシリーズの最新作。

前作の5は発売日当日に買ったんだけど、さすがに今回は様子を見ることにしたら、案の定評判が悪かったのでいったんスルーした。そのうち投げ売りされるようになり、それでも買わずにいたらEpic Gamesがタダで配り出したのでゲットしておいた。それでもそれでもプレイせずに放置していたのだけど、職場の同僚が買ってプレイし始めたというので話のタネに自分も遊んでみた。微妙だった。

いまのところプレイ時間は6時間ちょっとで(笑)、サクサクとプレイして250ターンぐらいまで遊んだ。いろいろとわからないことだらけなので途中何度か中断しながらネットで調べつつプレイしたのだけど、Steamのレビューを見てなるほどと思い、やる気をなくした。

ゲーム設定をランダムにして始めたところ、エジプトになった。あとで攻略サイトを見たところ、エジプトというのは砂漠で活きる文明らしいのだけど、そのせいで最初の立地も砂漠になってしまうらしい。この砂漠というのは生産性が低くて人口が増えにくいらしく、初心者にはおすすめできない文明とのこと。なかなか発展しなかったのは自分がまだまだルールを知らなかったからだけではなかったようだった。

マップは「大陸」になったのだけど、どうやら大きな大陸に6つの文明が集まり、自分の文明は小さな大陸にギリシャとともに配置された。これまでのこのシリーズの作品だったら、こうなった場合6つの文明が互いに潰し合ったり技術交流したりしているうちにどれかが強力に育っていくので負けパターンになりがちなのだけど、なぜか今回は同じく孤立しているギリシャが最強の国力を持つようになった。その理由はあとでわかった。

前作までは確か古代でも筆記かなにかのテクノロジーを習得すれば他の文明とテクノロジーの交換をすることができるようになり、このゲームの主要な勝利条件である軍事力による制覇や宇宙開発競争による科学勝利には不可欠な戦略だった。ところが今作では蒸気機関が発明される産業時代になってから科学理論というテクノロジーを得なければテクノロジーを交換できなくなった。つまり逆に言えばそれまでは自分の文明だけで地道に研究を進めればよくなった。

なんか知らないけれどAIが弱くて戦争に決着がつかなくなったらしい。なので、いくら大きい大陸とはいえ6つの文明で分け合う形となると、国力が頭打ちになってしまっていたようだった。逆に自分のいた小さな大陸では自分が領土拡張にあまり熱心でなかったため、ギリシャが拡大して強くなっていたっぽい。前作5ではあまり都市を増やしすぎると人々の幸福度が下がって不利になったので都市をあまり増やさずにいたのが裏目に出た。

ギリシャに比較的近いところに都市を建設したところ、外交でイチャモンをつけてきて、次第に繰り返し非難声明が出されるようになった。こうなると宣戦布告まで待ったなしかと思いきや、国力に倍以上差があったのになぜかまったく攻めてこなかった。なお、難易度は「国王」でやっていた。同僚に聞いたところ、今作ではAIは攻めてこなくなったらしい。

一方で蛮族は普通に攻めてきた。都市のせっかく作った区域が破壊されたりした。エジプトにはちょっと強い弓兵のユニークユニットがいるので、そいつをいくつか作って戦っているうちに周辺の蛮族の拠点をすべて破壊することができた。

今回都市に施設を作るには、影響範囲下のマスにまず特定の区域を作り、その区域の中に建てていくようになっている。たとえば兵舎を建てたければマスを選んでまず兵営という区域を作る必要がある。つまり、都市の機能が複数のマスに分散した。兵営のマスは防御力も持つので敵に対する守りにもなる。他に工業地帯とか商業ハブとか港とかいろいろな区域がある。それぞれの区域には周辺のマスにより補正が掛かるため、街づくりで効率を求めるにはパズルっぽく考えなければならないらしい。

クエスト達成によるブーストが各所に働くようになった。自分の場合は、最初に見つけた都市国家カルタゴと仲良くなるためのクエストとして「ガレー船を作成」というのがあったので作成したら代表団が一つ増えた。今回、独立した勢力である都市国家は、送り込んだ代表団の数によって影響を及ぼすことができるようになっている。前作まではゴールドを払うしかなかったのでより戦略的になった。また、テクノロジーの獲得にもそれぞれブーストが働く具体的な行動条件が示されている。たとえば槍兵で敵を撃破するなど。

いちいち手で労働者を操作して道を作る必要がなくなった。交易商というユニットを作成すれば、自動的に最短距離(?)で都市から都市へと道を作ってくれる。これは非常にありがたかった。また、労働者を使ってゴールドを産む「改善」をちまちまと作る必要もなくなった。それに全般的にゴールドがすべてを解決することもなくなった。

今回の6を一言でまとめると、システムはよくなったけどAIがそれについてきてない。これに尽きると思う。AIは都市を攻めるのが苦手なので守るのが簡単だし、街づくりも人間に劣るので序盤をしのげばほぼ負けないらしい。まあこのゲームでの基本的な動きが出来ていることが前提にはなると思うけど。

このシヴィライゼーションシリーズの魅力はなんといっても内政と外交と戦争とが一体になったゲーム性だと思うんだけど、これまではそれが奇跡的にうまくいっていた。…まあ正直そんなにできのいいAIではなかったし、AIはチートしないとプレイヤーとは互角に戦えてなかったんだけど、ゲームシステムの中にうまいことハマって納得のいくバランスにはなっていたと思う。

逆に言うと、堅実なプレイでじっくりと遊べるようになったとも言える。それが熱心なファンにとってはどれほどつまらないことなのか分かってなかったんじゃないだろうか。

この6は2016年に出たらしく、次作の7が来年2025年に出るらしい。さすがに近年のAIの進歩によりAIが強くなってると思いたいけれど、今度は逆にスキのないプレイでいったいなにがおもしろいんだということになりかねない危うさはあると思う。もしそうなったら、意図的に弱点を作り出してやればきっとおもしろくなるんじゃないだろうか。

大型の拡張パックが現時点で二つ出ており、それらを買って導入するとまたゲーム性が変わるみたいではあるのだけど、システムやAIの根本的な問題までは解決できないだろうし、いまの出来をみればとても改善が期待できるレベルではないため、今回はこれまでにすることにした。

もしこのシリーズに興味を持った人がいたのなら、自分は4が一番おもしろかったけれど、入手性を考えれば5でもいいんじゃないかと思う。

[参考]
https://2kgames.jp/
civilization6_jp/

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