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アストロノーカ

開発: ムームー、システムサコム, 発売: エニックス

まあまあ(10点)
2026年1月1日
ひっちぃ

宇宙一の農家を目指して小惑星で野菜を育て品種改良し害獣バブーたちを退けながらコンクールを勝ち抜き「全宇宙野菜コンクール」優勝を目指す。農家経営シミュレーションゲーム。

たぶんなにかの記事でこの作品のことを知ったんだけど、なにせ初代プレイステーションのゲームなので通販サイトamazonで検索してみたら在庫なしかプレミア価格だったかで入手が少し困難だったのでいったん保留にした。そういえばアーカイブにあるんじゃないかと思って調べてみたらプレイステーション3のストアにあったので買って遊んでみた。628円だった。おもしろかった。でも途中で単調になりクリアまでが長かった。

題のとおり、このゲームは「アストロ(宇宙)ノーカ(農家w)」つまり宇宙で農家を営むゲームなのだった。

鳥山明「ドラゴンボール」に出てくる界王星みたいなとても小さな小惑星に主人公が入植するところからゲームが始まる。相棒として少しの助言と雑談をしてくれる農業用ヘルパーロボット、ピート君がついてきている。また、呼べば行商人ペドロがいろんなものを売ってくれる。

牧場物語やStardew Valleyなんかの似たような農場経営シミュレーションゲームだとその気になれば最初から野菜をたくさん作れるのだけど、このゲームでは最初は6つしか育てられない。すごくコンパクトで遊び始めやすかった。

まずは野菜の育て方から学んでいく。種(タネ)は最初シマイモと星カブしかない。畑に植えると二日で収穫できるようになり、三日で種が取れるようになる。水をやったり肥料をまいたりする必要がないので楽だ。ただし収穫せずにそのまま放置しておくとそのうち枯れてしまうとのこと。

このゲームの核となるのは、種同士を交配させて新たな種を生み出すこと。テンガロン村で老人から機械をもらうとできるようになる。同じ野菜でも大きさや重さなどが増えたり(減ったり)、まったく新しい野菜を生み出したりすることができる。高い品質の種を生み出すことがコンテストに勝つ一番のカギとなる。

そのうち野菜を荒らす害獣バブーが襲来してくる。畑の前にフィールドがあってそこを通ってやってくるので、事前に各種トラップを置いておいておく。どんどんバブーは強くなっていくので、それに合わせて強力なトラップを工夫して配置していかなければならない。バブーに食い荒らされると野菜は「傷物」となって価値が下がったり、ひどいときは枯れてしまって刈り取るしかなくなったりする。

種の交配やトラップの使い方にはそれなりに奥の深いやりかたがあるのだけど、それらがすべて最初から説明されるわけではない。じゃあどうするのかというと、アストロネットというSNSみたいなものがゲーム内にはあり、活発に情報交換されている(という体になっているだけで実際にネットでやりとりされているわけではない)。彼らのやりとりの中から必要な情報を掴んで実践するとよい。

こうして育てた野菜を、日曜や祝日に時々辺境星系で開催されるコンクールに出してショーレースに勝つことで賞金を受け取ることができるほか、プレイヤーの名声が高まることによってさらに遠くの星系に行くことができるようになり、新たなショップやイベントやコンテストが解放されていく。

最終的に野菜の王様アストロキングのコンクールで優勝するとクリアとなる。

ゲームシステムがとてもコンパクトでわかりやすかった。経営シミュレーション的な要素もあり、お金を稼いで投資して効率を上げていく楽しさがある。畑を増やすことができるほか、交配のための機械を入手して改良していったり、新たな種やトラップを購入したりすることができる。

オリジナリティあふれる野菜がおもしろい。イモとかカブとか現実になじみのある名前の野菜が出てくるのだけど、それらは独自に改良されていて現実世界とは全然別物になっていたり、そもそもまったく関係ない野菜がなぜかその名で呼ばれていたりする。すっとぼけた設定にクスッとくる。

野菜には大きさや重さだけでなく模様や栄養や甘さや形状といった基本6属性のほか、さらに4種類の拡張属性(?)がある。これらには段階があって、形容詞が変わってくる。大きさなら「やや大」から始まって「大きい」「ビッグ」となっていく。初めての形容詞が出てくるとちょっとテンションが上がるw 逆に言うと、これらを覚えておかないと、どの形容詞のほうが大きいのかわからなくなる。数字だけだと味気ないし、交配時の結果予測メッセージにあえてこの形容詞しか出てこないのがいいと思う。わからなくなったら攻略サイトの情報を手元に置いておくといい。

見た目も変わってくる。初代プレイステーションの素朴なCG性能でこれらがグラデーションのあるグラフィックスで描かれるのがなんともいえない味がある。ドット絵だったらここまでバリエーションのある絵を用意できないと思う。

交配によりまったく新しい野菜を生み出せると書いたけれど、野菜の種類はあらかじめ用意されたものの中から特定の法則により選ばれる。このしくみもSNSの情報や投資により徐々に明らかになっていく。上位の(?)野菜ほど育てるのに時間が掛かる。

害獣バブーを迎え撃つフィールドは、よく覚えてないけど11マス四方ぐらいのマス目になっており、そこにトラップを配置しておく。チュートリアルでは「ぐるぐる台」と呼ばれるバブーの進行方向を変えるトラップを置くよう案内される。バブーにはライフとスタミナみたいなものがあって、どっちかがある程度下がると帰っていく。「ぐるぐる台」はとにかく歩かせてスタミナを減らすタイプのトラップとなっている。

さっきWikipediaを見ていて衝撃を受けたのだけど、なんとバブーは遺伝的アルゴリズムによって進化するらしい。バブーのパラメーターは遺伝子を模した数値の列によって構成されていて、それらの遺伝子によって行動パターンや能力が決められている。内部では20種類のバブーの行動が計算され、評価点によりその中から優秀な個体が何匹か残される。それらの個体の遺伝子を模した数値の列をもとにランダムに切り貼りして次の世代の子供を作っていく。人工知能学会誌にも発表されているらしく草だった。

自分がプレイしたときは、最初はチュートリアルのまま「ぐるぐる台」のトラップを置き続けた結果、バブーのスタミナが上がりすぎて突破されるようになってしまった(「ぐるぐる台」はバブーを無駄に歩かせるトラップで時間稼ぎにしかならないため)。その後「ジャンプ台」のトラップに切り替えたところ、しばらくしのげるようになったのだけど、これも多用しすぎたせいかバブーの体重が増え続けて「ジャンプ台」が効かなくなって踏み壊されるようになってしまった。

しばらくあきらめてノーガードのままにしておいたこともあるのだけど、まあ別に食い荒らされてもどうということはなかった。というのも、畑が増えると手前側の畑を囮にすれば奥の畑を守ることができるからだった。といってもそんなに明確に手前とか奥とかがあるわけではなく、一番目の畑にバブーの好みにあわせて三タイプの野菜を植えておくとほぼそっちに行ってくれる。

トラップの配置には制限があって、電力が1,000ワットまで(?)と決まっている。一つのトラップに45~200ワット掛かるので、バブーの行動パターンをある程度読まないと対応できない。フィールドが広すぎるのですべての行動にはとても対応できない。

最終的に自分はあるパターンでトラップを置くことによりバブーを完封することができるようになった。たぶんこれは人それぞれなので決まったパターンはないと思う。内部的に存在する20体すべてのバブーの遺伝子のパターンがある程度共通化してしまえばもはや進化の袋小路に陥ってどの個体も乗り越えられなくなるんだと思う。

自分が一番ストレスを感じたのは、種に種類制限があることだった。交配させていくといろんなパラメーターの種ができていちいち命名されるため、内部的にそれを保持しておかなければならないんだと思う。野菜に関しても同様だった。たぶん同じ種類の種から育った野菜は数で管理されてるんだろうけど。だからできるだけ種の種類を絞り、いったん持ち物からなくせば解放されるみたいなので畑に植えてしまったり、てっとりばやく売り払ったりしてしまうとよい。

クリアまでに単調作業を強いられた。エンディングを迎えるにはアストロキングで品質の良い野菜を作らなければならないのだけど、ライバルが強すぎて割と極限近くまで品種改良した上でゴールデンにする必要があった。もうちょっと甘いほうがいいと思う。クリア後に好きな人だけやり込めばいい。自分の場合、最後の1~2年はアストロネット(ゲーム内SNS)の投稿が枯渇してしまい、大体のコンクールにも優勝していたので延々単調プレイを強いられた。

条件野菜コンクールがめんどうくさい。特定のレベルの属性をつけないと審査員が評価してくれない。幸いにもそういうコンクールは二つしかないので自分はスルーした。イベントでも特定の属性レベルの特定の野菜を求めてくる人物が出てくるけど、こっちは条件が一つか二つなので難しくなかった。

レトロゲーにしてはいまでもそんなに不自由を感じないほど遊びやすいので、評価が確立している名作を遊びたい人、手軽な農場経営ゲームを遊びたい人、インディゲーっぽいのが好きな人、初代プレイステーションの味を楽しみたい人なんかは遊んでみるといいと思う。ただし、頭を使うのが嫌いな人には勧められない。

[参考]
https://www.jp.square-enix.com/game/detail/astronoka/

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