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    安田均 グループSNE

    まあまあ(10点)
    2007年2月8日
    ひっちぃ

    ファンタジーの世界に登場する色々な職業や役割や種族について、小話をつけた解説をしている本。戦士や魔法使いや僧侶や盗賊や町人などを細かく分類してそれぞれに項を設け、様々なファンタジー作品からの出典でまとめている。

    私がファンタジーに引かれたそもそものきっかけはコンピュータRPGのドラゴンクエストだった。その後、黒田幸弘「D&Dがよくわかる本」や水野良「ロードス島戦記」などでコンピュータRPG以外のファンタジーを知った。本書はその頃に出ていたファンタジーの解説本。

    当時の私は中高生ぐらいで、小遣いも少なくバイトもしていなかったため、週刊少年ジャンプを買う金にも苦労していたぐらいなので、あまり本を買えなかった。だから買った本は結構何度も読み返した。特にこの「〜コレクション」シリーズはお気に入りだった。ただ、全部揃えたかったけど、他に買いたいものがあったので一部しか買わなかった。特に本書は上下二分冊だったし、内容も立ち読みしてみてそれほど興味を引かれなかったので、当時はスルーした。

    最近になって古本屋のワゴンセールで一冊50円で売られていたので買ってみた。改めて読んでみても、そんなに面白いというほどではなかった。

    本書「キャラクター・コレクション」と類書「シティ・コレクション」は、同シリーズの先行作と比べて、人を題材にしているところが弱いのだと思う。各項目の最初にある小話に、項ごとに新しい登場人物を用意しなくてはならないので、本の世界に入っていきにくい。それに、どうもライターの質が落ちたような気もする。

    それにしても、どうして昔の私はファンタジー世界に没頭したのだろう。現実とは異なる一つの完成した世界に強い興味を覚えたからなのか。現実の世界では、生きるために必要なことが勉強だったり人に媚を売ることだったりと、いまいちやりがいを感じられないことばかりで、それに比べるとファンタジーの世界では剣を持って戦ったりと分かりやすかったからかもしれない。

    中学の頃、学校をシメる、というよく分からないことを言っていた不良たちがいた。社会は大人が支えているのに、何を言っているんだと思った。これもあるいは一つのファンタジーかもしれない。彼らは現実をファンタジーにする力を持っていたのだ。彼らは私たちよりも想像力が豊かだったのではないだろうか。

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