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    谷川流 (電撃文庫)

    いまいち(-10点)
    2007年4月18日
    ひっちぃ

    大学に進学した主人公の青年が下宿先の祖父の屋敷に来てみると、近所から博士と呼ばれていた祖父は実験中の事故で謎の失踪状態にあり、そこには何故か五人の美少女とちょっとスケベな球形ロボットがいて地球の平和を守っていた。戦隊モノのハーレム型ライトノベル。

    谷川流ならではの何かがあるものと少しだけ期待しながら読んでいたが、ついに見つけることが出来なかった。本作は完全に普通の小さくまとまったライトノベルだった。

    五話構成でそのままアニメになりそうな感じ。というかよくわからないが掲載雑誌らしい電撃萌王というのはアニメっぽい小説ばかり載っている雑誌なのだろうか。だとしたら狙い通りの作品で、想定読者の期待通りのものがここにある。

    だから私もそういうもの全体に対する批判は置いておいて、本作に対する評論をする。

    私にとって一番良かったキャラは球形スケベロボット・ガニメーデスだった。こいつが一番いきいきしているし、ちょっとおかしいけどまともな神経を持っている。主人公の心いい青年に対して煩悩を煽るのがとにかく楽しい。ちょっと引用する。

    『あなたこそ、こうして眠り続けるあろえさんを目前にして何をしているのですか?周りには誰もいません。この保健室に二人きりで、しかもあろえさんは眠り姫。すべきことはただ一つ。私の期待を裏切らないで欲しいものです』

    で肝心の五人の美少女がどれもステレオタイプにハマりすぎ。それもそのはず、あとがきで作者が書いていることによれば、作者は最初編集部に言われて何かのゲームの設定としてキャラを作って企画書みたいなものにまとめていたらしい。

    五人の性格は箇所書きにするとみもふたもない。

    ・天然
    ・内気
    ・ツンデレ
    ・快活
    ・無感情

    天然キャラだけ深層心理がちょっと描かれるのだが、尺が短くて不十分で物足りない。ゲームの設定から始まったとは言え、もっと膨らませようと思えばいくらでも出来たと思う。五人を平等に描こうとしたように見え、それが一因にもなっているように思う。

    彼女たちの必殺技はどれも面白かった。戦隊モノで戦闘シーンがそれなりのウエイトを占めるなかで、ありきたりな剣戟や銃撃ではなくこっけいな異能力を使った戦いが十分な緊張感をもって描かれていることには素直に感心した。

    まだ五話なのでこの先いろいろ書いていくつもりなのかもしれないが、色んな意味でこのさき読み続けたいと思えなかった。

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