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    中原アヤ

    傑作(30点)
    2007年5月3日
    ひっちぃ

    高校生で身長170cmの小泉リサは、ゲームが好きで朝礼のとき立ったまま居眠りするような女っけがない女で、バスケ部なのに身長が156cmしかない大谷敦士とケチをつけあう様はクラスから夫婦漫才と言われていた。そんなのではいかんと小泉リサは男を作ろう奮闘するが失敗し、大谷になんだかんだで励まされているうちに、自分は大谷のことが好きなのではないかと思うようになる。

    別冊マーガレットで連載されていた長編ラブコメ少女漫画。2007年4月からアニメ化されたのをきっかけに見てみたら面白かったので、買って読んで全部揃えてしまった。

    作者がバリバリの関西人で、作中の世界も関西ということになっている。小泉と大谷の二人組をオール阪神巨人に喩えているところなんて今の読者に分かるんだろうか。台詞がいちいち面白くて笑える。下手な純粋ギャグマンガよりずっと笑える。小泉リサがマイティ部を立ち上げるところなんか抱腹絶倒だ。小泉と大谷のツッコミ合いがものすごく勢いがあって最高。平気で互いに「ウザッ!」「キモッ!」「巨神兵」「ちびっこギャング」と言い合う。

    「あかん!召喚獣も全滅や!」
    これが小泉リサの授業中に昼寝していたときの起きぬけ寝言。

    「キュン死にや!」
    小泉リサが現実逃避するときにプレイする恋愛シミュレーションゲームに出てくるケイン様の台詞に感動したときの台詞。

    「精神的乳を出す」
    女っぽくない小泉リサに対して友人が出したアドバイス。本当に乳を出すと捕まる、っていう補足説明も含めて。

    「ハレンチ列車はもう走りだしとんのや!」
    これも友人からのアドバイス。

    主人公二人組以外の人物造形も素晴らしい。上の台詞を言った暴走気味の友人のぶちゃんとか、優等生でおとなしい千春ちゃん、天然で口数が少ないけどまぬけキャラの中尾くん、同じく口数が少なくてテレ屋の鈴木くん、今はかっこいいけど昔はひ弱でリサに守ってもらいたい遥、ゲームに出てくるケイン様にそっくりのマイティ先生こと舞竹先生など。聖子や小堀くんはいまいちだけど。

    ただ、脇役たちのドラマの作り方がヘタだと思う。概して少女漫画家って脇役を大切にする人が多いのだが、大切にしすぎるあまりフォローが行き過ぎちゃって出来すぎた話を作る傾向があり、本作でもいくつかそのような点が見られた。一つだけ私が気に入ったのは、遥が自分のファンを大事にするエピソードだろうか。最悪なエピソードは次期キャプテンのデブの話。

    長編ラブコメの宿命的弱点として、全16巻(本編だけ)も続くだけあって中盤からダレるのは仕方ないところか。大谷が超ニブくてなかなか進まないところまではとても良かった。そこからの展開も結構楽しめた。うまくいったら終わりじゃないっていうのはここ十年ぐらいの少女漫画の流れなんだろうか。だからそこからの話自体がつまらないわけではないのだが、ただ普通にレベルが下がったというかそれだけの話だ。

    それと終幕までの話のもっていきかたにこれといって見るべきものがなく、読後感があっさりしている。まあこの作品が劇的な結末を迎えるのは違うと思うのでこんなものなのかもしれない。いやむしろ安易な盛り上がりの展開を作ってくれなくて良かった。ベッドをともにしそうになる展開もあるのだが、小泉リサと大谷の反応にとても好感を持った。

    絵もいい。すっきりした線の通常の絵でも十分登場人物が魅力的に見えるし、時々出てくるちょっと力の入った絵も演出の意図どおりの効果が出ているし、それになんといってもギャグ絵とくに小泉リサの百面相が最高。なかでも作者命名によるところのフナ顔が奇抜でウケた。

    作者のコラム(1/4スペース)が面白い。少女漫画家のコラムは平均レベルからして信じられないくらい質が高いのだが、この作者の文章はその中でも上のほうだと思う。最初のコラムで作品名の真ん中の星マークをうんこにしてるところから爆笑した。よく描くウサちゃん絵をどんどん変形させていったり、自虐ネタも面白い上に品があっていい。

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