「美談」VTR開発戦争の真相
佐高信 (サンデー毎日 2002.7.7 政経外科)
まあまあ(10点) 2002年6月26日 ひっちぃ
日本ビクターで VHS を作った男たちを描いた NHK の人気番組プロジェクトX とその映画版を指し、あれは実は信義に反してソニーの特許を盗んだんだ、とうさんくさい目で見る佐高信。
ソニーと松下がクロスライセンスを結び、これからは一緒にやっていこうと提携したのだが、松下は子会社のビクターに独自の規格でビデオを作らせたのだそうだ。ビクターの技術者は、ソニーもうちの技術を使っている、と言い、それに対してソニーの方は「信義の問題だ」と言っているそうだ。
信義とは負け犬の遠吠えのごとく聞こえる。ソニーのシナリオ通りに進んでいたら果たしてどうなっていたのか、簡単に予想してみると信義もなにもないとしか思えないのだが、プロジェクトX で美談として取り上げられたことにはウソ寒さを感じずにはいられない。
ソニーやホンダは時に悪く言われることもあるが、なによりオープンなのが良いという。日本は基本的に閉鎖社会であり、大きな企業は大体がとても閉鎖的である。とくに佐高信は、自分の厳しい批評に関わらず産業界トップでインタビューに応じてくれたのはソニーの盛田昭夫ぐらいで、他は大体会ってくれなかったと言っている。
[参考] http://www.mainichi.co.jp/life/ family/syuppan/sunday/2002/0707/ index.html
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