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  • CSV-P500 (Cocoon/Channel Server)

    Sony

    傑作(30点)
    2003年5月24日
    わたなべ

    呪われたソニーのHDDレコーダーのシリーズ最新作。

    高度情報化社会と呼ばれるこの時代は、インターネットを中心に我々の生活を豊かにしてくれている。しかし、それゆえに我々人類にとって深刻な病巣をも生み出したと言える。つまり、「常に情報に埋もれていたい病」である。読み切れない量のメールマガジンを購読し、あらゆるジャンルのニュースサイトやblogサイトを巡回し、仲間とインスタントメッセージでURLやニュースをやりとりし、2chを読みあさり、思いついた言葉はすぐに検索し、そしてなにもすることがなければテレビやラジオをつけている。私もかなり該当してしまい、真剣に悩んでいるのだが、このソニーのチャンネルサーバ、Cocoon CSV-P500は、もしかしたらテレビからの情報だけで人生を埋め尽くしてしまうかもしれない。

    まず目立つキラー機能はスカパー!への対応。この機能は他の機種にはない。チューナーにHDDがついたやつはあるんだけどね。このP500はスカパー!チューナーのデータ端子と接続してチューナーを制御し、地上波とスカパー!の番組表をそれぞれ管理できる。このCocoonシリーズはジャンルを指定しておくと勝手に番組を録画してくれるのだが、これがスカパー!に応用されると、ほとんど切れ目なしに番組が録画されていく。

    もともとスカパー!で入っているのは興味のあるジャンルのチャンネルであるから、例えば「音楽」など指定してしまうと、MTVやスペースシャワーTVなどからPVがひたすら録画されていくし、「スポーツ」だとラグビーやサッカーの番組がたくさんたまっていく。地上波では番組が限られているため切れ切れにしか使えなかったこの機能が非常に生きてくるのだ。また、録画された番組が見てるとおもしろくてしょうがないという場合に、毎週録画するように設定できるルートができた。以前は毎週録画したくなっても、1週間後までしか番組表にあらわれないので、ストレスのたまるインタフェースで時間を指定するか、番組の情報を覚えておいて数日後に予約の設定をするかしかなかった。たしかに不便だったのだ。

    操作性に関しては、先代のCSV-S55は人間が使うことを想定していないようなリモコンのボタン配置、人間性を無視したユーザインタフェースが人々を悲しませていたが、今回はかなりリモコンのボタンや感度、画面のユーザインタフェースが改善されている。無駄なフェードイン/アウトは相変わらずだがスピードアップしている。おれとしては完全になしにするか、もうあと3倍ほど速くしてほしいのだが、S55よりはかなり速くなった。また、番組表からの予約画面や操作も、細かい不満はほとんど解消され、かなり使いやすくなった。このへん、まずは合格点をあげたいが、まだ伸びると思う。

    また、やっとモデム経由ではなくいわゆるブロードバンド経由で接続された。簡単なWWWブラウザのようなものが装備されていて、Sonyのサイトを閲覧できる。また、WWW経由で外部から録画予約ができるようになった。これは以前は有料サービスだったはずだが、今回は無料になっている。ただしやはり有料と無料に分けられていて、無料のほうにはかなり制限がある。

    まずSonyのサーバに予約情報を登録し、HDDレコーダーからSonyのサーバに1日2〜3回問い合わせる方式なので、1日以上後くらいの予約からしかできないことだ。また、番組表から予約できない。これは有料サービスに移行するとなんとかなる(アクセス時間が10分おきとかになり、番組表からの予約ができる)。最後の欠点としてはWWWからはスカパー!の予約ができないこと。これで一気に魅力が半減する。Sonyはなぜできることをしないのだろうか。次に買い替えさせようとして出し惜しみしてるんじゃないかと思う。だって、このHDDレコーダをWWWサーバにしてWWWインタフェースを作ればよいではないか。どうせ中身はLinuxなんだし。

    画質はS55と比べると良くなっているような気がする。まあこれは地上波よりもスカパー!の映像のほうがノイズが少ないからかもしれない。地上波の映像がもともとかなり荒れているのでよくわからないが、少なくともSP(高画質)モードというのでかなり動きのあるPVを見てても気にならない。

    製品のサイズはS55の半分以下になっている。やっぱテープやDVDがなくてHDDだけしか使ってないんだから、このくらいのサイズでないとユーザは納得しないだろう、という感じのちょうどよいサイズ。S55ではHDDレコーダーの上にチューナーを置いていたが、このP500では横に並べて置いている。ちょうどS55(標準的なビデオの幅) = チューナー + P500 くらいにぴっちりはまっている。

    あとメモリースティックのスロットがついているので、デジカメがCyberShotな人はメモリースティックを入れるとテレビに出してくれるという機能がある(私には関係ない)。

    この製品はよくSHARPのGalileo(続きリンクを参照)と比較されると思う。実際、無線LANへの対応や録画した番組をPCから視聴できること、WWWインタフェースで予約できることなど、地上波だけならGalileoのほうが魅力的であることはまず間違いない。ただ、スカパー!対応。これだけで選んでしまうのだ。Sonyはユーザの弱みをよく知っていると言えるだろう。

    というわけで評価としてはまだ伸びると思うけど合格点で、スカパー!に入ってる奴はMUSTなアイテムだ。

    続き

    [参考]
    http://www.sony.jp/products/
    Consumer/cocoon/
    CSV-P500/

    (最終更新日: 2003年5月24日 by わたなべ)

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