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    川原泉

    まあまあ(10点)
    2004年11月15日
    ひっちぃ

    人類が太陽系の外の恒星系にまで進出した宇宙時代。とても大きなフロンティアで人類が直面したのは大幅な人材不足。地球人は友となる宇宙人を発見することが出来ず、動物たちに知能を持たせて友とすることを選んだ。そしてついに船長以外のクルーが全員動物という輸送船ブレーメンが出港し、人類はまた新たなステージへと進むのであった。その波乱万丈の処女航海を描いた作品。

    作者は少女漫画家の川原泉。深い知識をもつことで読者からは教授の愛称で呼ばれる。この作品も、主人公の天真爛漫な天才女性船長キラの、クルーへのリアルな指示により始まる。一息ついて窓に顔を押し付け「ホントに飛んでるよおい…」で脱力するところでにやり。

    中身はいつもの感じ。特に目新しいところは見られないか。主人公キラとその相方の社長という人間二人組のやりとりはそれまでの作品となんら変わりない。女性主人公は作者の分身なんだろうな。相方は甘えられるボケ役やつっこみ役の男性。

    動物の絵は最初不安に思ったが徐々になんとも思わなくなった。副長はゴリラで、警備隊長がカエルだったりして、描くの大変だろうなと思ったが、よく描けている。

    悪役が何人か出てくるけど、こっちはちょっと無理してるなって感じがする。川原泉って絶対悪を描くのは得意じゃないよね。どこか憎めない悪役を描かせたらハマってるのだけど。でも不自然というほどでもない。

    まあ面白かったし、全5巻揃えちゃったから楽しめたんだけど、やっぱヌルさを感じる。アンドロイドのアリスの巻はベタすぎるし、最後のエピソードは出来すぎた感が強い。リトルグレイは爆発力があるけど、ちょっとついていけない自分がいる。

    もう旬は過ぎているのかなぁ。次回作があってもあんまり期待しない。作者に深い知識があるのなら、昔のこち亀みたいな円熟で知識の披露マンガみたいなのを描いたほうがいいんじゃないかと思った。

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