友へ チング
監督・脚本:クァク・キョンテク
まあまあ(10点) 2005年6月14日 ひっちぃ
幼馴染の四人組の男たちの青春時代から、それぞれの道を歩みだし、そのうちの二人がそれぞれ対立するやくざの幹部になり、取り返しのつかないことになってしまうまでを描いた作品。
題名からして泣ける人情話の映画なのかと思って見たら、後半は単なるやくざ映画になってしまいガッカリ。でも前半はいい感じだった。
70年代、80年代の韓国は、やっぱり当時の日本と同じかそれ以上にダサいので、なんとなく気恥ずかしさを思い起こさせるのだけど、それがよりいっそう青春って感じをさせていい。でもこの部分は思ったよりすぐあっさり終わってしまうので、過剰な期待はいけない。
みんなタバコ吸い過ぎ。高校時代の不良少年少女のかっこよさを楽しむ作品なんだろうなあ。割と近い時代を生きた私にも分からなくはない。ちょっとムカついたりもするのだけど。あ、優等生とお調子者も出てくるみたいだけど、脇役というか、引き立て役になってる。やっぱ不良はエライのか。不良文化最強説を補強している。
やくざ編は、特に見るべきところはないが、なめられたら終わり、だからやる、というところは武力のなんたるかを説明している。やくざだって普段から戦ってるわけじゃなくて、互いの力関係を計りながら利権を分け合っている。ところが、自分たちを少しでも強く見せるためにハッタリを掛けたり、交渉で強く出て相手を見くびるようなことをしているうちに、じゃあどっちがどれだけ強いかやってみるか!?ってことになるわけだ。これは現実の国同士の関係にも当てはまる。
韓国で大ヒットした映画らしい。800万人、国民の四人に一人が見たとかどこかに書いてあった。分からなくもない。私からすれば、特に見ても見なくてもいい映画だったけど、日本でこういう映画を正面から作れる人はいるのだろうか、ということだけ気に掛かった。
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