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    すえのぶけいこ

    傑作(30点)
    2006年3月12日
    ひっちぃ

    表裏のある交際相手と友達を持った主人公の女の子が、ふとしたことがきっかけでいじめの対象となり、周りに味方がほとんどいない中で戦っていく話。

    とにかく過激だ。いじめの描写、善人ぶったクラスメイトの裏の顔、変態趣味の男、他校の不良。ここまで陰湿に人の裏を描いた作品は見たことがない。下手なホラーや社会派作品よりよほど恐ろしい。

    ただ、この作品に関してはエンタテイメント性も重視しているように思う。展開が速く、映画のようにどんどん進んでいく。あまり深い描写はなく、感情重視で次へ次へと話が移り変わっていく。作者の狙いがどこにあるのか分からないが、社会派の真面目な作品として読まなくても純粋に楽しめるようになっているのは、作品として良かったのか悪かったのか。

    とはいっても、主人公が逆境を乗り越え、いじめっこたちを打ち負かしていくのは爽快だ。シチュエーションが過激すぎて、もはやいじめという側面はあんまりなくなり、気丈なヒロインのアクションムービーといった趣がある。

    グイグイ読ませる。読ませるのだが、冊数の割に中身が薄いので、漫画喫茶で読んだほうがいいかも。作者の作風を一冊で知るには、「ビタミン」という作品を読むのもいいと思う。こちらはエンタテイメント性より社会派な感じだが、終盤グダグダなのが難点。

    (最終更新日: 2006年3月12日 by ひっちぃ)

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