ゾンビ自衛隊
友松直之
まあまあ(10点) 2006年9月6日 芋愚
和製ゾンビ映画。
舞台は富士の樹海で、怪しい飛行物体の墜落とともに自殺者の死体が蘇る。
登場人物は、
自衛隊の分隊、グラビア撮影、ヤクザの仕置き、辺鄙なペンションの従業員と
様々な理由でそこに居合わせた人間達。
主人公は女性自衛官。実は秘められた過去があり、
ゾンビと死闘を繰り広げる運命となる。
お話としては、オソマツ。
しっかり脚本された作品とは思えない。
思いつくまま作られたような雑な展開。
冒頭では日の丸を背景に君が代が流れて、
愛国心溢れるナレーションが流れるが、ストーリーとはほぼ関係なかった。
支離滅裂で、B級ホラー映画という呼称がしっくりくる感じだ。
コミカルなシーンは満載だが、本気でそれに取り組んでいるわけでもない。
一応、ホラーやアクションとしての基本は押さえているので
最後まで鑑賞には耐えうる。
私はこの作品をDVDにて鑑賞した。
意外にも面白かったのが、特典映像だった。
本編が100分くらいなのに対して、メイキング映像が30分くらいついてきた。
最近のDVDソフトでは、そういうオマケが付いているものが多いので、
密かに楽しみにしているのだが、本作ではこのオマケがとても良かった。
低予算な雰囲気プンプンな本作だが、
随所随所でかなり気合の入った特殊メイク技術が披露されていた。
そこらへんのネタが惜しげもなく明らかにされていた。
飛び散る脳ミソは、「タラの白子」を使っているだとか、
裂けた腹からはみ出る内臓は、本物の「ブタの内臓」を使っているだとか、
意外と身近な食材が活用されているのに驚いた。
料理は盛り付けも重要なのだな・・・と感じた。
あと面白かったのが、
撮影スタッフが少ないらしく人手が足りないのか、
ゾンビに食われる被害者が、「ぎゃー」とか叫ぶ演技をしながら、
実は手元ではポンプを操って自分の体に血糊をぶっかけているというのに笑った。
スタッフや出演者の和やかな映像も楽しかった。
ゾンビのメイクを施した役者同士が、携帯のカメラでお互いの写真をとってたり、
眼球が飛び出した死体のメイクを施した役者が楽屋で居眠りしてる様子があったり、
作品とのギャップが楽しめた。
エキストラの女子高生集団に監督がゾンビの演技指導をしているシーンも笑った。
「えー、マジでー?」
「ちょーウケるんだけど!」
「これ、顔うつるの〜?」
とか、イマ風の女子高生が駄々をこねつつ、楽しみながら演技してたのが
ほほえましかった。
本編が駄作だったのが複雑な気分だが、オマケで挽回できたのでよしとする。
(最終更新日: 2006年9月24日 by 芋愚)
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