機動戦士ガンダム 一年戦争
発売元:バンダイ 開発元:ナムコ
まあまあ(10点) 2006年11月16日 ひっちぃ
悩める若者たちを主人公に豊かな世界設定のロボットアニメとして大ヒットした機動戦士ガンダムシリーズの第一作をストーリーに忠実に3Dアクションゲームに仕立てたもの。
プレイステーション2のデュアルショックコントローラを利用した典型的な3D操作のアクションゲームで、左スティックで移動、右スティックで向き操作、その他色々なボタンで武器を使って敵を攻撃したりブースターを使って一次的な高速移動が出来る。
本作はよほど評判が悪かったのかそれともマーケティング上の失敗か予想より売れずにゲーム売り場に在庫の山を作り、一時期数百円で投げ売られていた。それでもマニアックなゲームを取り上げるサイトで意外に堅実な評価を得ていたので、ガンダム好きの私は試しに買って遊んでみることにした。
このゲームは非常によく出来ている。まず、3Dアクションゲームとしてきっちり作られている。ロボットを3Dフィールド上でストレスなく動かせる。照準も親切にややオート気味になっていて、当たり判定も甘めで、これならゲーム自体をあまりやったことのない人でも入っていけそうに思う。
ステージ制になっており、ステージにより目的が定められている。大抵は敵を倒すことだが、一定時間守ったり、ターゲットを探しだして撃墜したり、侵攻してくる敵を迎撃したりする。敵にも特徴があって飽きさせない。
ステージのオープニングとエンディングにちょっとしたストーリー紹介の紙芝居がある。そんなに長くなく割とあっさりしているが、ストーリーを思い出すぐらいにはいいかもしれない。
だがこのゲームには大きな欠点がある。コントローラの設定で、アナログスティックの初期設定が私の感覚と逆なのだ。私は同じナムコのエースコンバットという人気戦闘機ゲームなどのような伝統的なフライトシミュレータの感覚が手に染み付いているようで、ゲーム中ストレスを感じ続けた。慣れようとしたのだが、ピンチになったときに手が自然と逆に動いてしまう。こういう場合のためにこそコントローラの設定があるのだが、上下を逆にする設定はあるものの、左右を逆にする設定がないのだ。困った私は、コントローラを上下さかさまに持つという技を思いついたが、これだと複数のボタンを押し分けることが出来ないので、射撃オンリーのステージでしか使えない。
それと私が危惧するのは、ここまで親切に丁寧に作られた本作であるが、ゲーム自体をあまりやったことのない人にはだいぶつらいんじゃないかということだ。左右のスティックを操作するだけでも大変だろう。特に右スティックは、うまく操作しないと地面や空を向いてしまう。そのうえ三種類の武器にそれぞれ三つのボタンがあるほか、ジャンプや左右移動のためのブースターのボタンが二つある。これを使い分けるのは大変そうだ。色々な操作をそれぞれボタン一つずつに割り当てるというのは簡単で割り切った方法で、同じく3Dアクションの有名シリーズ・アーマードコアも確かこんな感じだったが、任天堂が「ゼルダの伝説 時のオカリナ」でやったような方向キーなどとの組み合わせによる段階的な習得と比べると安易で複雑すぎるのではないだろうか。このあたりにもっと工夫が欲しかった。
ゲーム慣れした私でも、敵を狙って撃つのが難しかった。適当に照準をあわせてボタンを連打するぐらいしか出来なかった。これはこれで簡単でそれなりに面白く手ごたえもあるのだが、飽きもきた。エースコンバットをまた引き合いに出すと、照準を合わせて撃つなんていうのは上級者プレイになっており、初心者は自動追尾のミサイルを中心に使っていればいいようになっている。こういうところでもゲームのとっつきにくさにつながっているのではないかと思う。
私の心配は、小中学生ぐらいのプレイヤーには無用かもしれない。頭が柔らかいからそのうち慣れて使いこなせるようになるだろう。ロボットを手足のように動かす快感が得られるだろう。しかし本ゲームが狙っているのはおそらくもっと年をとっている世代だろうから、もっと操作性に気を配る必要があったと思う。それにガンダムを知らない世代が本作を遊んだ場合、本作の簡単なストーリー説明で物語を楽しむのは無理だと思う。
良作だが惜しまれる点があり、難しい評価になってしまう。
ちなみに私はこのゲームをまだクリアしていない。七割ぐらいは攻略したのだが、飽きてしまった。もっと時間が沢山あれば、時間にあかせてクリアできたと思う。
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