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    ドリームワークス

    まあまあ(10点)
    2006年11月26日
    ひっちぃ

    怪物が姫を助けに行くというアンチなファンタジーのフルCGアニメ映画。

    主人公の緑色の大男っぽいモンスターはイメージとしてはトロールって感じ。野卑た造形やしぐさがいかにもそれっぽくリアルなCGアニメーションになっていて、泥のシャワーとかくしゃみのしぶきなどが本当にリアルで目を見張る。

    CMで有名な例の姫のカンフーアクションは、ちょっとモーションにぎこちなさというか不自然さを感じた。四足のおしゃべりが逃げるところとかも見ていてヘンな感じ。しかしあとはおおむね本物っぽくて素晴らしい。

    スクウェアが実写っぽいフルCG映画(ファイナルファンタジー)やジャパニメーションっぽいフルCG映画(アドベントチルドレン)を作ったのに対し、ドリームワークスほかはいかにもアメリカンアニメっぽいフルCG映画を作ったなぁと思った。それぞれのレベルを比較すると、本作はCGであることを前面にアピールしているところが、良く言えば表現手段をうまく利用していると言えるし、悪く言えば表現手段に頼りすぎだと言えると思う。その点、一方でスクウェアの場合、敢えてフルCGであることを感じさせないようにさりげなくしたところが、良く言えば表現手段に振り回されなかったが、悪く言えば余計なことに労力を使ってしかも見えにくいという結果になっている。

    技術ばかりに目を向けてしまったので、肝心のストーリーのほうに移る。良い話だと思う。アンチヒーローな主人公がいい。ただ、ちょっと性格を不自然に感じてしまう。私の性格がひねくれているからかもしれない。後半への振りになっていることを考えればこのぐらいがいいのだろう。ストーリーは単純明快で、口を挟む余地がない。子供向けに作られているだけある。

    ラストに結局姫の呪いがどうなったのかという疑問が残ったが、どうでもいいことなので気にしないでいいところなのだろう。

    吹き替えは、主人公が浜田雅功で、この声を聞くたびに浜田の顔が頭に浮かんだ。正直これはダメだと思った。演技は悪くないのだけど、声のトーンが図体と合っていないように思う。技量よりもミスキャスト気味なことに多少問題を感じた。姫のほうは藤原紀香だが、私はこの人の声を聞きなれていないので気にならなかった。当然話題作りのためだろう。やめてほしい。

    作品の完成度は高いが、良質な子供向け作品というのは大人にも楽しめるものであるべきであるという考え方からすれば、私にとっては物足りなさを感じてしまった。

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