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    スクウェア

    いまいち(-10点)
    2006年12月23日
    ひっちぃ

    ファンタジーと機械を融合させた独自の世界観を持つ大人気コンピュータRPGシリーズの十作目の事実上の外伝。召喚士ユウナが、本編の主人公のティーダの影を追いかけて、スフィアハンターという盗賊団のようなものをリュックらと組んで世界中を股にかけて冒険する。

    女の子三人組が操作対象となる。チャーリーズエンジェルを思い出した。今度のユウナは銃を持って戦ったりするが、本作はジョブシステムになっているため、必ずしも銃を持って戦う必要はない。リュックの格好も露出度が高くなっている。知り合いが本作のことをギャルゲー(女の子で楽しむゲーム)と呼んでいたことに多少納得した。

    冒頭でユウナがアイドルのように歌うシーンがある(ルブランの変装?)。大ブレイク前の倖田來未が歌っているそうだ。私は既にこの曲をベストアルバムで聞き込んでいたのでヘンな違和感があった。

    本作は本編の二年後ぐらいの世界を舞台にしている。本編の登場人物たちのその後が描かれる。良くも悪くもセンチメンタルな造りになっている。はっきりいって本編をやっていない人がプレイしても全く楽しめないと思う。ここまで本編べったりな造りでいいのだろうか。まあだからX-2を名乗っていると言えるのだろうが、X-2を名乗るのも無理があるように思う。

    ストーリーは五段階で進んでいく。はっきりとストーリーレベルというものが表示されているので分かりやすい。飛空挺を根拠地とし、舞台となっているスピラの各所に好きなように飛べる。そこでイベントやミッションが用意されているが、すべてをやる必要はない。こういう自由度の高さは気軽でいい。

    ただ、私はいま本作に怒りを感じてこの文章を書いている。結論から言うと、私はこのゲームの攻略を断念した。最後のダンジョンのフィールドに出現する敵が強すぎる。石化や強力な状態異常を範囲で引き起こしてきたり、物理攻撃または魔法攻撃がまったく効かなかったり、その上で敵の攻撃力が強すぎてこちらはあっけなく全滅してしまう。

    ではどうすればいいか。状態異常はアクセサリで防げる。敵が強いのもレベルを上げれば緩和される。やれることがあるならやればいい。普通ならそう思うはずである。このゲームにはやりこみ要素があって、ジョブシステムで育てられるジョブは沢山ある。ジョブによって多彩な戦い方が出来るので戦闘は割と楽しい。それに、沢山のイベントやミッションが用意されているので、寄り道しまくればキャラクタを成長させられる。

    しかしそれをストーリーレベルが邪魔をする。ストーリーレベルが進んでしまうと、それまでに発生していたイベントやミッションが無くなってしまう。中には結構重要なアイテムを取得するためのミッションがあるのだが、あっさり取り逃がしてしまう。

    じゃあストーリーレベルに気をつけて攻略していけばいいじゃないかということになる。しかしそんなのは攻略本なり攻略サイトなりを見ていないと分かるわけがない。おまけにActive Linkと称して重要イベントだけ分かるようになっており、そこを優先してしまうと自然とストーリーが進んでしまう。

    だから、最後のダンジョンに来た段階で寄り道をしようと思ってもやることが限られている。ジョブシステムはドレスフィアというものを取得してジョブを成長させることが出来るようになるのだが、そのドレスフィアの入手もその段階では不可能になっていることが多い。

    そしてこれを言ってしまうとみもふたもないが、イベントがどれもいまいちだ。あんまりドキドキワクワクがない。登場人物にも主人公たちを除くと魅力がない。ユウナとリュックやアニキあたりの掛け合いは面白い。あとルブランがヌージを慕うさまは妙に健気で女くさくて良かった。それぐらいだろうか。

    ミッションも小粒のものが多い。短時間で気軽に楽しめるということなのだろう。ダンジョン攻略してボス倒して終わりという普通のものから、チョコボを追いかけたりという戦闘と関係ないものまで、趣向は色々あってよかったのだが、正直どれもいまいちだった。

    私は本作に多くは求めない。ただ、以下のいずれかの条件を満たすだけで、このゲームの評価は大きく変わったはずだ。

    ・戦闘とくに最後のダンジョンの敵を弱くしてクリアを簡単にする(はごたえのあるゲームがしたければ寄り道をすればいいようにする)。

    ・ストーリーレベルによる進行でイベントやミッションが消えないようにし、安全にやりこみが出来るようにする(いったん取り返しがつかない進め方をするとすべてが萎える)。

    ・ストーリーをもっと魅力的にする(ストーリーがよくても進められないようじゃ困るのだがまあそれでも多少は仕方ないと思う)。

    最近私はゲームをやっていると、ゲーム一般についてどこが楽しいのか考えるようになった。それは多分私がテレビゲームに飽きてきたかもしれないことが原因としてあるのだろうが、それにますます拍車を掛ける理由として、中途半端なゲームが増えているからじゃないかと思っている。

    本作の戦闘システムは結構よく出来ていて、グラフが刻まれたリザルトプレートという板にドレスフィアの中からいくつか選んで点にはめ込み、「着がえ」と称してグラフを点から点に移動させることで戦闘中にジョブを変えられ、ジョブによって多彩な行動が出来るようになっている。ジョブはそれぞれ使い込んでいくうちに経験値がたまっていき成長し新たな行動方法が増えていく。私は実のところ、この着がえや、本編にあったメンバー入れ替えみたいな、パーティメンバーの能力を戦闘中に根本的に入れ替えるシステムは面倒で嫌いなのだが、これはこれで考えられていて面白いとは思う。

    ところで私はこのドレスフィアのシステムを結局あまり遊ばずに終わった。私はまず基本ジョブから成長させようとした。じゃないと早々に行き詰ると思ったからだ。なので、戦士、シーフ、ガンナー、白魔導士ぐらいしか使わなかった。他にも面白そうなジョブがあったのだが、攻略が止まるとイヤなので手を出さなかった。こういう配慮をしたにも関わらず結局攻略は止まった。

    ミニゲームが沢山用意されていた。どれも佳作の出来で悪くないのだが、積極的に楽しもうと思うほどの魅力は無かった。ミニゲームを遊びたければミニゲームのソフトを買うからいい。自分はRPGで遊びたかったからこのゲームを買った。多分製作側としては、ミニゲームは用意しやすかったと思う。私の憶測では、多分これらは本編が造られたときに一緒に出来たが没になったものだと思う。

    本作は開発元のスクウェアを潤わせたらしい。グラフィックを流用できたからだそうだ。3DCGのモデリングやモーションを流用できたらそりゃ開発は楽だし金も掛からないだろう。ただ、ムービー類のCGや、新しいファッション、音楽なんかは一から作られている。ダンジョンもだいぶ新しく作られている。このやりかたは私も非常に良いと思う。しかし、であればここで節約した分をなぜ中身につぎ込めなかったのか、強く問い詰めたい。本作でスクウェアは多大な利益を得たという。この情報は株式情報にも出たぐらいだ。

    攻略が難しい。やりこみに取り返しがつかない。ストーリーに魅力がない。つまり、これ以上ゲームを進める価値がない。というわけで私はこのゲームを放棄することにした。人にも勧めない。

    序盤のユウナのポジティブさは本当に良かったのになぁ。

    (最終更新日: 2009年10月3日 by ひっちぃ)

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