ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 1巻だけ
西義之
まあまあ(10点) 2007年5月16日 ひっちぃ
まだ子供なのに霊に裁きを下せる資格と実力を持った六氷透(むひょうとおる)と、その助手をやっている少年・草野次郎の事件ファイル。心霊モノを法律事務所と組み合わせたスタイルが新しい。
週刊少年ジャンプに連載されている。2ちゃんねるのニュース速報板に住む辛口でひねくれた住人たちからそれなりの支持を得ているようなので興味が沸いて読んでみた。
割とがんばっていると思う。毎回それなりに人情モノの話が出てきて、その完成度はともかく最低限のレベルは保っている。次から次へと立ちふさがる強大な敵を仲間と共に…というジャンプの王道パターンを踏んでいないで連載を続けられるというのはすごいことなのかもしれない。
六氷透というおとぼけ天才少年が魔法律という法律をもじった複雑な仕組みを使って悪霊を退けるというのは、非常に現代的なヒーローを生み出したと思う。少年探偵よりもカッコイイ。それに悪霊に対する刑がその場で行われ、毎回ビジュアルに凝っているのもいい。
とここまで褒めてきたが、実のところ私自身はそれほどこの作品を楽しめなかった。子供の頃はこういう小さいのにすごい主人公に憧れていたが、今の私はこの手の主人公にはまったく魅力を感じない。助手の少年との友情の物語もまだまだこれからみたいだし。それから既に述べたが人情モノの話もいまいちだ。ホラーだからか安直になりがちで、霊の強い想いを描くためだけに人情が語られているといった感じがする。
今後ライバルとの戦いが描かれる伏線が張られているが、それも含めて私はこの作品の続きに期待をもてなかった。
|