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    ブライアン・デ・パルマ監督

    まあまあ(10点)
    2007年6月25日
    ひっちぃ

    禁酒法の時代のアメリカ、マフィアの親分アル・カポネが警察からなにから牛耳る地方都市に中央から乗り込んできた捜査官エリオット・ネスとその仲間たちの戦いを描いた物語。

    有名な映画だと思うのだが私はこれまで見たことが無かった。アンタッチャブルと言ったらインドのカースト制度を思い出すが、作中ではマフィアが主人公のことを指して言っている。触れられないもの。てっきりアル・カポネのことかと思った。あ、多分暗にアル・カポネのことを指しているのだとは思うのだけど。

    この作品は八割がたアクション映画だ。アル・カポネの尻尾を掴もうとする主人公らのチームが、マフィア同士の取引の情報を掴んで現場に乗り込む。私はアクション映画があんまり好きじゃないので、この作品のアクションシーンのレベルがどの程度なのかよく分からないが、なんとなくユルさを感じるのはちょっと古い映画だからだろうか。敵が物陰から姿をあらわしたら即座に反応するといった俊敏さに欠けている。カメラワークにもスリルを感じない。マーロンが襲われるところの演出も、ここまでにあれだけ派手に銃撃戦を描いておきながら、銃を使わない襲撃者の視点でカメラを動かして何の説明もないのは首を傾げる。階段のシーンも引用のようだし、この作品には出来の悪い引用が多く使われているのではないかと思う。

    幕間(?)のロバート・デ・ニーロ演じるアル・カポネの記者会見(?)がとても絵になっている。裏で全て操っているにも関わらず、堂々と善良な一市民であるかのように振舞っているところは、怒りとか社会正義がどうのというのを通り越して、見ていて清清しささえ感じてしまう。素晴らしい。全体としてこの作品は舞台劇のような感じさえする。

    デ・ニーロ…じゃなかったアル・カポネを追い詰めていく筋書きは分かりやすいのだが、どうにもメリハリが欠けているように感じられてならない。終盤のアクションシーンも、頭の中でつながらないまま戦いが始まり、途中で戦いが止まる理由が分からず、結局最後主人公がああしてしまうまでの流れが全然出来ていないと思った。大どんでん返しのシーンも筋書きはいいのだが妙に平坦で爽快感が薄い。

    全てが終わったあとの主人公の台詞は、気を利かせたつもりなのだろうが、この物語が仲間と共に戦う話なのを考えると、全てがぶち壊しになってしまわないだろうか。しょせんその程度のことだったとでも言いたいのだろうか。

    音楽が良かった。とてもキャッチーで独特のリズム感あふれる特徴的なフレーズがさっぱりしていていい。緊張感もあるし。サントラをブックオフでなら買ってもいいかなと思った。

    なんか全体を通じてだいぶけなしてしまったが、気楽に観る分には分かりやすくてコンパクトでそこそこ面白い映画だと思う。

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