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  • リリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士3〜

    ガスト

    傑作(30点)
    2007年8月20日
    ひっちぃ

    錬金術を広めるために先生とともにザールブルグという国にやってきた駆け出しの錬金術師の少女リリーが、この国に錬金術を広めて錬金術の学校を作るために、町の人々の頼みを聞いたり周辺地域を冒険してお金を稼ぐゲーム。

    様々な材料を合成して色んなものを作る楽しみがある良作として知られる通称アトリエシリーズの三作目。

    いつかプレイしようと頭の片隅に置いておいたら、ちょうどこのたびゲームをやる気になっていたところへ中古ゲームソフト屋で目に入ったので買って見た。

    私はこのシリーズの作品をプレイするのが初めてなので、同シリーズの他の作品との比較はできない。良作という評価は確かにその通りだと思った。完成度が高い。いやそれ以上だった。ひさしぶりにゲームに熱中した。週末にプレイをスタートして、20時間ほど掛けて一気にクリアした。

    まず材料を採取するところからして楽しい。もちろん合成も楽しい。お金になるものや冒険の役に立つものが作れるのが嬉しい。電子上のデータを作ってどこが楽しいんだと思うかも人もいるだろうが、画面の中で色んなアイテムが増えていき、それが画面の中の人々の役に立ったり、高く売れたりするのが楽しい。

    街は狭いが必要最低限の施設が揃っていて、そこに色んな人々が暮らしている。主要人物は物語が進むにつれて会話が変わってくる。その人その人のストーリーが進む。主人公の少女リリーは、彼らと関わって彼らの役に立ったりしながら自分の道を見つけていく。少女や登場人物たちの人間としての成長物語がちりばめられている。さらに何人かとの恋愛物語まで用意されている。快活な少女がとても魅力的だ。

    フルボイスなのがすごい。かなりの会話量がある。会話シーンでの登場人物の絵が表情によって何パターンかあり、人がイキイキと描かれている。たまにアニメーション(動画)まである。ただ、途中からうっとうしくなってボイスは飛ばした。

    戦闘システムは単純だが緊迫感があって飽きさせない。ちょっと物足りなくはあるが、戦闘以外がメインなのでよくやっているほうだと思う。

    合成システムは250種類の素材・アイテムが用意されている。合成方法は本から入手するようになっているので簡単だ。少しだけ秘密の合成方法があって、推理する楽しみがある。

    悪い点についても書くとする。

    いきなりエンディングになってびっくりした。しかもこのエンディングは続きがプレイできないタイプのものなので、突然ゲームの世界から放り出された。このゲームの目的は錬金術の学校を作るためで、そのための資金を溜めて学校を建設してしまえば終わってしまうのだ。それまでに進めていた色んな人々とのかかわりの中での物語はどうなるのだ。この点が本作の一番残念なところだ。

    繰り返し遊ぶように出来ているのだろう。攻略サイトを見てみるとエンディングだけで数通りもあった。四人の男のうちの一人と恋愛を進めることが出来るみたいだ。ゲームの幅が広い。それ自体は良いことだと思う。人によってやりたいプレイが違うのを吸収してくれるからだ。だが、一回クリアしただけではこの作品の魅力の何割かしか楽しめず、二回三回とやるごとに内容がかぶるのは時間がもったいなく感じる。まあこういうことを言い始めるとキリがないか。

    どうしても時間に追い立てられているのが地味に苦痛に感じた。バッチ依頼という一定の期間内に何回かに分けて依頼品を作って納品すると沢山稼げる依頼を中心に受けていた私のプレイ方針が悪いのだが、どうしても効率を考えるとこのタイプの依頼を受けてしまう。

    普通の合成(調合か)のほかにラフ調合とブレンド調合というのがあって、うまく使うと材料を節約できたり代わりの材料を使えたり、普段とは違う隠しパラメータを持ったものが出来上がる。この仕組み事態はいいアイデアだと思うし、一作目二作目があった上でのこの三作目の新しい趣向なのだから着実に進化しているのだと思うが、三作目から入った私には手を出す気になれなかった。どうしてもイベントの都合上必要なアイテムを作る必要があって自分で考えて挑戦してみたらうまくいって快感があったが、その後もやってみようとは思わなかった。あとで攻略サイトを見たら、こんなのどうやって見つけるんだと思うようなものやマニアックな法則なんかが載っていて、一般的には挑戦しがいがあるとは思ったが自分は逆に萎えた。

    多少良くない点もあり、突き抜けた感動はないが、こんなにゲームに熱中したのはいつ以来だろうと思うほどハマった。こんなゲームがいくつもあったら自分はもっとゲームをやっていたと思う。

    いまならこの作品が三千円以下で手に入るのだから、気楽に遊び散らかすと良い。ただ、どうしても人を選ぶかもしれない。爽快感はない。蓄積型の地味なゲームでもある。男も女も楽しめる点は間口が広い。どちらかというとストーリーは女性視点かも。といっても女性というのは現実的な見方をするので、電子上のデータの構築には一般にあまり興味ないかもしれないが。

    これからプレイする人にいくつかゲームを楽しむためのアドバイスをしておく。先に言ったようにあまりむきになって金をためないこと。色んな人とマメに会話してストーリーを楽しむこと。それと最初のペンダントは受け取っておかないと恋愛要素が楽しめないこと。

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