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    小坂俊史 重野なおき (芳文社)

    最高(50点)
    2007年9月28日
    ひっちぃ

    ほのぼの系ショートショートストーリーマンガ。なにげない日常の中から普通なら微妙なエピソードを絶妙に切り取って味わいのある作品にまとめあげている。主人公は若い男や女。友情あり恋愛あり旅情あり。笑いあり感動あり。

    芳文社系の四コママンガ誌といえばいままでほとんど気にしてこなかった。最近になってアニメから入った「ひだまりスケッチ」を読んでみて面白かったが、作品の質的にそんなに積極的に読みたいと思うには至らなかった。今回紹介するこの本はそんな四コママンガ誌の人気作家二人が同人誌に描いていた頃の作品を集めたものらしい。

    感動した。とても素晴らしい。ものすごい豊かな感性を持っていないと、日常のこんな切り取り方は出来ないと思う。

    この作品集は四コママンガではないが、四コママンガを描く作家というと、とりあえず四コマ目に安易でもいいからオチを置くという傾向が強いと思うのだが、この作品集は悪く言えば締りの悪い、良く言えば味わいを残して終わる。

    絵にも魅力がある。同人誌だからというフィルタがあるのでちょっと下手に思えて荒さも目立つが、どの人物もいい感じ。あんまりオリジナリティは感じないが、ほのぼの系四コママンガの歴史みたいなものをしっかり受け継いでなおかつ独自のテイストもある。男の私からみると、女の子はどれも魅力的で、なおかつ現実にいそうなリアルさがある。オタクが好む女の子の絵は二次元ならではの魅力が凝縮されているが、四コマ系の本作は三次元に近い魅力にあふれているように思う。まあ結局どっちも虚構なのかもしれないけれど。

    万人ウケしそうな良質な作品であり、自信を持って広く人に勧められる貴重な本なのでぜひ読んで欲しい。逆に萌え要素が好きなオタク系の人には勧められないが。

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