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    傑作(30点)
    2008年7月22日
    芋愚

    全体的な感想や、女教師のエピソードの感想はまったく同じかな。


    私がこの作品で一番好きなのは、
    家族解散宣言を下したオヤジのくだり。

    私の人生も、わずかな期間であったが、母親不在のときがあった。
    そのときの経験と照らし合わせるとリアリティを感じた。


    解散宣言の後、3兄弟はたくましく生きてゆく。
    主人公からみて、長男は父親で、長女は母親のようなポジションだった。
    ・・・だが、まだ父親がいたころの描写(回想シーン)と比較すると、
    面白いんだよなぁ。

    普通の人情ドラマだったらさ、長女あたりが、
    「お母さんがいないんだから、私が家のことするね!」
    みたいに、健気に父親をサポートしたりしそうなものだ。
    だけど、3兄弟は相変わらず「子ども」のままで、
    父親は不器用に料理をしたり洗濯物をたたんだりしてた・・・。

    自分の実体験を振り返っても、まさにそのとおり。
    私は、父親が仕事から帰宅して家事もこなしているのに、
    ほとんど手伝わなかった。
    それどころか、父親が「生活費」という名目で置いていた金を勝手に使って
    洋服を買ったこともあった。
    昼間っから酒のんでウダウダいってる父をみて、
    兄と一緒に、「悲劇のヒロイズムに酔ってる。」などと、
    てめぇらは何もしねぇくせに小賢しくニヒルに野次ってたものだ・・・。

    ・・・ガキってのは、所詮そんなもんだw

    なにかくれるんなら、それにひたすら甘ったれる。
    なにもくれなくなって、ようやく自分で動くことを覚える。

    自分らは何もしなかったくせに、
    「父ちゃんは頑張ってたよ。」って、まるで許してやってる立場のように
    語り合う姿は、滑稽だった。

    親ってのも、似たようなもんで、
    余裕があるときは、しっかり親をやろうとするもんだけど、
    いざ余裕がなくなると、プチって切れてしまうもんだ。


    そういう事を、平然と描いちゃって、
    人情ドラマを作っちゃってるての、結構すごいとおもうんだけどなぁ。

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