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    今野緒雪 (コバルト文庫)

    駄作(-30点)
    2009年5月8日
    ひっちぃ

    仏教系の男子校に入学してまもなく、体育会系にも文化部系にも属さずに孤立していた福沢祐麒は、不敵な生徒会長の庇護を受けることとなったが、その事実はまだ周知されていなかったため、ふとしたことから再び目をつけられて狙われてしまう。そんな中、生徒会長は祐麒に全校生徒の前で安来節を踊るよう命じる。ミッション系女子高のちょっと百合な世界を描いて大人気だった「マリア様がみてる」シリーズの外伝の二作目。

    うーん今回はひどい。普通につまらなくてびっくりした。

    導入部でいくつかの事件とかトラブルが起きて、それが引っ張られて解決へと導かれる流れになっている。生徒会室の謎の侵入者、祐麒やランポー先輩に襲い掛かる集団。物語は最終的に、それらに説明をつけた上で、祐麒が安来節を踊って終わっている。怪我をした祐麒が血を滴らせながら踊って気合を見せるところが一番盛り上がるところなのだろうが、読んでいてすごくしらけた。謎の解明は一応意外性はあるものの、事実を知ったところで「へー」としか思えなかった。

    この作者の一番の魅力である人の機微を描く点に関しては、まず友情についてはこの巻ではそれほど進歩なしか。小林はミステリアスな位置から少し前進?髪をくしゃくしゃにした、などの男の友情動作がいちいち陳腐で読むに耐えない。

    学園ものとしてのプチ政治力学みたいなのは、こういうのが好きな人にとってはそれなりに楽しめるのかもしれないけど、なんか微妙な感じがした。推理小説研究部の描写が薄っぺらい。今回新しい登場人物が少ないんだから、マリみてでやってたように部にそれなりのキャラを登場させたらいいのに。最終的に柏木優が入部することになるから席をあけてあるのか。

    まあ少女向け小説だからしょうがないんだろうな。絵に描いたような優男の柏木優と、彼に振り回されながらも食いついていく主人公の福沢祐麒、彼を友情でサポートする脇役の筋肉君とオカマちゃん、ひとくせある他の生徒会役員。もうおいしいとこばっかなんだろうな、主購読層からすれば。

    にしても不思議だよなあ。生徒会役員なんて現実世界の学校じゃ、なりたい奴の気が知れないという嘲笑の対象なのに、なぜこうまで物語世界だともてはやされるのだろう。

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