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    AOSテクノロジーズ

    まあまあ(10点)
    2009年8月17日
    ひっちぃ

    ディスクがクラッシュしたりファイルを誤って消してしまったりしたときに復元するためのソフトウェア。

    知り合いのパソコンのディスクがクラッシュしてまったく読めなくなってしまったため、なんとか中のデータを救済することができないか藁にすがる思いで色々調べ、ダウンロード販売されていたこの製品を買ってみた。

    このソフトを使ってディスクの中のファイルが見れたときには救われた思いがした。救えなかったファイルもあったが大体重要なデータを発掘することが出来た。

    このソフトは二種類の形態を取っている。一つはWindowsにインストールしてから使うもので、もう一つはブートCDからLinuxが立ち上がってLinux上で動くもの。Windows上から使う方が機能的には便利だが、根幹的な部分についてはどちらを使っても機能的に変わりはない。初心者だとパソコンのシステムが壊れてしまうとまったく立ち上がらなくなってお手上げ状態になってしまうところだが、これだとブートCDから立ち上げられるのでなんとかなりやすい。

    さて精神的に落ち着いてきて、もっとよく調べてみたのだが、この手の製品を使わなくても十分あるいは場合によってはもっと強力に復元することが出来るフリーウェアもあるということが分かった。

    今回の私のケースでは、ハードディスクのパーティション情報が壊れてしまっていた。というかパーティション情報以外の普通のデータの部分が壊れたとしても普通にディスクは読めるし、壊れたファイルだけが読めなくなるので大した実害はない。OSのシステムファイルが壊れたらOSが立ち上がらなくなるが、その場合はWindowsだったら復元インストールすればいいだけだし、ディスクを他のマシンにつないでファイルをコピーするという手も使える。

    ネットで調べた結果、パーティション情報が壊れたときに一番良いツールはTestDiskというやつらしい。英語版しかないしコンソールアプリなので文字とにらめっこしながらやっていかなければならず使いづらいのだが、それ以外は結構頭がよさそうだ。人間の試行錯誤が必要なときでも、たとえばシリンダーのサイズを推測して教えてくれたりする。パーティション情報さえ復元できれば、あとはWindowsのチェックディスク(CHKDSK)を使えば自動的に復元できるものは復元しダメなものは断片だけでも残してくれる。

    じゃあこのファイナルデータは不要かというとそんなことはないだろう。白黒画面に表示された英語に従って操作していくのは普通の人にはツラいというか不可能だ。

    ではこのファイナルデータは普通の人でも使えるかというとそれも多少怪しいと思う。割と使いやすいとは思うのだが、パーティション情報を復元させるための操作は多分無理だと思う。せめてパソコンにちょっとは詳しい程度の知識はないと使えないだろう。というか普通の人はパーティション情報なんていう言葉すら知らない。一方、誤って消してしまったファイルを復元するぐらいならばそれなりに分かりやすくできそうだ。

    で、実際に使ってみて分かった欠点があった。このソフト、ディスクのデータを復元することが目的なだけあって、ディスクに対して余計な書き込みをまったく行わないようになっている。つまり、必要な情報はすべてメモリ内で処理する。ところがいまどきの大容量なディスクドライブに対して処理しようとすると、メモリ不足で行えないのだ。そのため、一度に読み取るのではなく、開始と終了の位置をあらわす数字を入力して、何回かに分けて復元を行う必要がある。4GBのメモリを積んだマシンだと確か50GBぐらいずつに分けて調べる必要があったように覚えている。なぜほかのディスクに作業領域を設けて処理することが出来ないのかよくわからない。処理が遅くなるからか?

    では復元したいファイルが巨大すぎたり、ディスク全体にまんべんなく散らばっていたりするとどうなるのか。まあそんなファイルは重要ではないと思うので大した問題ではないのかもしれないが、メールを一本のファイルに書き込むOutlookのようなメーラーのメールボックスファイルがこれに該当してしまうかもしれない。教訓として、こういう重要なファイルはなるべく小さいパーティションのディスクに入れて管理しておくのが良いだろう。そのほうがバックアップも取りやすいし。というかこうやってこまめにバックアップを取っていれば復元ソフトの世話になることがなくて一番良いに決まっている。

    このソフト、いくつかの主要なメーラーに対応していて、メールボックスの復元を行うための専用の機能が用意されている。試しに実行してみたところ、ほとんど復元することが出来た。しかし復元されたメールがOutlookのpst形式ではなくOutlook Expressのeml形式に一通ずつ分割されてしまった。そこで結局、pst形式のファイルをMicrosoftが用意しているメールボックス修復ツールに掛けて修復した。

    とまあ気になる点もあるのだけど、ダウンロード販売で八千円ちょっとで買えるものなので、十分良心的な製品だと思う。このソフトと、あとパソコンに多少詳しい人のサポートがあれば、ディスクがクラッシュしてもある程度データを救出できることを期待してもいい。

    秋葉原のじゃんぱらという中古屋でなぜかこのファイナルデータのバージョン6.0が三千円ぐらいで売られていた。機能面がどうなのかよく分からないが、多分基本的には同じ気がする。この手のソフトはバージョンアップしてもそんなに変わらないように思う。でもひょっとしたらブートCDはないかも。

    にしても、RAID1は今回結局役に立たなかった。ディスクの物理的な障害に対しては有効なのだが、今回のように何かの暴走かウイルスなどによる危ない書き込みの指令がディスクに送られてしまうと、データが二台のディスクに分かれていても両方とも壊れてしまう。結局安全なのは、一台にデータを入れ、それをもう一台のディスクに定期的にバックアップすることだ。それに可能ならバックアップをマシンから切り離しておくのがいい。

    [参考]
    http://finaldata.jp/

    (最終更新日: 2011年11月16日 by ひっちぃ)

    コメント

    TestDataじゃなくて いじくり
    TestDataじゃなくてTestDiskですね。
    詳細

    manuke.com