女はトイレで何をしているのか?
毎日新聞夕刊編集部 (講談社文庫)
まあまあ(10点) 2010年2月3日 ひっちぃ
日常的なちょっとした疑問や最近流行の風物を軽く調査してまとめた夕刊記事連載。表題作ほか男や女にまつわるものから、職場や電車やおじさんがらみや健康関連など。
読む本を切らしてしょうがなかったので本屋で目に付いたこの本を買って読んでみた。
表題作のトイレで女がなにをやっているのかという調査は、女性記者が実際にトイレに居続けて調べた結果、というか調べなくても同じ女性なんだから大体分かってるとは思うのだけど、化粧直しなんかで長いことトイレにいると会話が始まるわけで、そうしているうちに会話が目的になったというだけのことらしい。ほかには、自分を見るフリして他の女のことをチェックしたり、合コンで作戦会議みたいな。
男女関係では、昨今の不況で「生存婚」つまり生活のための結婚をしようとする女たちだとか、草食男子と肉食女子なんていうマスコミの言葉のほか、東京に美人が多いというのは本当かみたいなマーフィーの法則的な小ネタなど。切り口はいいと思うのだけど、もっと突っ込んで真剣に考察してほしくて欲求不満になる。専門家の意見をちょろっとだけ紹介してるところなんかいかにも新聞っぽく中身が薄くて、彼らの著書の紹介がメインなんじゃないのかと疑う。
割としょーもない話が多いのでいちいち取り上げたりはしないけど、世代間格差を取り扱った回なんかもあり、2ちゃんねるじゃなく毎日新聞の夕刊でこういうテーマをやれたというのはなにげにすごいかもしれない。でも逆に、おそらくすごい高給取りの新聞記者たちが、こんなくだらない企画をキャッキャ言いながら楽しんで書いてるところを想像するとムカッとくる。一方で、本気でダジャレ大会に出た記者のレポートは立派だなあと思った。内容はほんとしょーもないけど。
地味ながら確実に値上がりしつづける文庫本で、この薄さで六百円というのは微妙に高い気もするけど、気軽に読める本としてはそんなに悪くはないなと思った。
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