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    フランシス・ローレンス監督 リチャード・マシスン原作

    まあまあ(10点)
    2010年5月24日
    ひっちぃ

    空想近未来のニューヨークで、ガンをなおすための画期的なワクチンが突然変異して人々を皆殺しにし、運よく生き延びた一部の人々もワクチンのせいで体毛が抜けて凶暴化してしまった。そんな中、軍の科学者である主人公だけはなぜか凶暴化せずに生き延びることが出来た。彼は誰も住まない大都会でただ一人、ほかに生存者がいないか呼びかけながら人々の治療法を研究し続け、孤独に暮らしていた。アメリカのSF映画。

    なんか聞いたことのある題名の映画だったのでただそれだけでテレビ放映されていたものを録画してから見てみた。比較的最近上映された中でそれなりの評判を得た作品だと思っていてそれは正しかったのだけど、まさかゾンビ映画だとは思わなかった。

    この映画の一番の魅力はやはりニューヨークの摩天楼下の人一人いない町並みをCG込みで見せてくれることだと思う。実際にロケで人払いして撮影したりもしたらしい。ありえないような超現実の映像というのは見ごたえがあった。アスファルトの隙間から草が生えていたり、野生動物の群れを追跡したり。

    それともう一つは、そんな大都会に一人孤独にすごす主人公の暮らしぶり。もし世の中に自分しかいなくなったら、なんていう想像をしたことはないだろうか。マネキンに話しかけたり、アニメのDVDを台詞覚えるまで繰り替えし見続けたりする主人公。うーんさみしい。

    物語は事件発生直後のエピソードも平行して語られる。主人公には妻と娘がいる。避難用のヘリコプターで脱出させようとする。そんな回想シーンが合間に挟まれながら、主人公は自分以外の生存者を捜し求めつつ、人々の凶暴化をなおすためのワクチンの開発を続ける。その結末は、題名どおり主人公が伝説(レジェンド)となる。ネタバレになるのでこれ以上は書けない。

    後半ぐらいから凶暴化した人々との戦いが描かれる。凶暴化した人々の集団からうまいこと少女の個体を捕獲することに成功した主人公だったが、そのことが理由となってその集団から執拗に追跡を受けてしまう。こうなってくると本格的にゾンビ映画になってしまう。凶暴化した人々っていうのがこれまた怖くて、獰猛で頑丈な上に俊敏で走りまくりでスリル満点。Wikipediaによるとゾンビ映画の本家ロメロ監督の作品にも影響を与えているらしい。

    この作品がゾンビ映画だと気づいた時点で、自分はこういう作品を見たかったわけじゃなかったと思ったのだけど、色々引き込まれる要素があったので最後までそれなりに楽しんで見ることができた。ストーリーを思い返すと微妙な感じはするけれど、作品を楽しもうと思って普通に見れば十分楽しめる作品だと思う。

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