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  • SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ

    バンダイ

    最高(50点)
    2010年9月19日
    ひっちぃ

    三十年以上前に放映された戦争物ロボットアニメ「機動戦士ガンダム」に出てくるロボットのデザインをデフォルメし、アニメのストーリーや登場人物を取っ払ってロボットだけを扱った、ファミコンでの数少ないシミュレーションゲーム(ストラテジーゲーム)の一つ。ただし戦闘はアクションゲームだった。

    私はこのシリーズが昔から大好きだった。

    子供の頃、チョロQというゼンマイ仕掛けでデフォルメされた車のおもちゃが好きで、嫌な歯医者に行ったあとのご褒美として親から買ってもらって喜んでいた。当時は普通のミニカーも少し買ってもらっていたけど、縦長にかわいくデフォルメされたチョロQの方が、金属製で実車の質感のあるミニカーよりも愛着が持てた。

    たぶんその流れでこのSDガンダムが好きになったのだと思う。SDガンダムのSDとはスーパーデフォルメの略で、極端にデフォルメされたデザインのロボットがとても好きだった。塩化ビニール製の人形のガチャガチャ(カプセル型自動販売機)とかカードダスというゲームカードを結構集めていた。

    そんなSDガンダムの世界がゲームになったのがこのシリーズだった。ロボットはそれぞれ異なる武装を持っていて、ビームサーベルやヒートホーク、ビームライフルやマシンガンなど、一つ一つのロボットがどれも個性的で、コントローラーで操作するのが楽しかった。しかもこれが単なるアクションゲームではなく、ターン制で変わりばんこにロボットを将棋のコマのように進ませ、地球や宇宙やコロニーなんかのマップ上に点在する町を占領してお金を得て、ガチャガチャの形をした工場で強いロボットを生産し、敵の陣地に攻め込んで本拠地を落とすというシミュレーションゲームになっていたのが良かった。そのおかげで、強いロボットを一体作るより、弱いロボットを量産して町を多く狙い、敵に攻められたら弱いロボットで耐えるというマゾい楽しみがあった。弱いロボットで敵の強いロボットに勝つのは快感だった。マジンガーZとかみたいなこれまでのロボット物のアニメと異なり、ガンダムシリーズでは雑魚ロボットもいっぱいあって、どれも機能美があって魅力的だった。

    アクション部分のゲームバランスが絶妙だった。どんなにプレイヤーの腕がうまくても、さすがにザクみたいな安いロボットで敵のそれなりのロボットを迎撃するのは無理だった。敵が強いロボットを出してくると、こちらもそれなりのロボットを出さなければいけない。ロボットの武装にはそれぞれ使い勝手が個性的なものがあって、たとえばドムやリックディアスのバズーカは障害物に当たると爆風でダメージを与えることが出来るので、市街地で敵を迎撃するのに都合が良かったりした。接近戦用の武器が強いロボットは、敵に肉薄できるとかなり強力だったけど、スピードが速くてビームライフルなんかが強力なロボットには勝つのが難しかった。

    気に入らない点もあった。シミュレーションゲームとしては制限が多すぎた。ロボットの生産は自分の本拠地でしか出来なかった。Wikipediaを見て思い出しながら書いているのでウロ覚えなのだけど、1ターンに移動できるロボットの数が決まっていたみたいだ。マップがそれなりに広いのは良かったのだけど、地形によっては一度に移動できるマスが少なくてイライラした。ロボットだけでなくホワイトベースなどの戦艦もあった気がするけど、扱いはロボットと同じで、誘導ミサイルが強力な単なる一ユニットに過ぎなかった覚えがある。それともまだこの作品では戦艦が登場してなかったか。

    続編も色々出た。マップが増えて少しマイナーチェンジしたものが出たらしいけれど私はたぶん遊んだことがない。2はごく短期間だけ友達から借りて家でやった覚えがあり、ディスクシステムではなくカートリッジだった。基本的なシステムはあんまり変わっていなかったと思う。3は友達の家で少しだけ遊んだことがあり、戦闘がアクションではなくなっていて独特の雰囲気があったことしか覚えていない。4と5もあることはWikipediaで初めて知った。ファミコンはここまでらしい。

    ああ懐かしい。私は子供の頃、ファミコンは親に買ってもらったけれど、ディスクシステムまでは買ってもらえなかったので、友達の家に行ってよく遊んでいた。このソフトを持っていた友達のところに、一時期ほぼ毎日押しかけるぐらい遊びに行っていた。ただ、その友達は家で遊ぶよりも外で遊ぶ方が好きな人で、私はもっぱらゲームばかりやっていたかったのだけど、彼に合わせてよくアパートの庭でサッカーボールで遊ぶことのほうが多かった。この友達がこのソフトを持っていなかったらたぶん遊びに行かなかったんだろうなあ、と子供の頃の偽りの友人関係についてほろ苦く思い出す。まあ偽りと言うのはおおげさで、人と人とが親しくなるにはなにかしらの理由がそれぞれあるもので、私と彼との間はたまたまゲームソフトだったというだけの話なのだろう。彼の方からしたって、外で遊ぶ仲間が欲しかったのだろうし、ひょっとしたら私が実はゲーム目当てだったのに気づいていたかもしれない。彼は負けず嫌いで自分が負けるとすぐ興奮して怒ってリセットボタンを押したりしていたけれど、それ以外の点では温厚で少し照れ屋で、今でもはにかんだ笑顔しか思い出せないぐらい仲の良い有人だった。一人っ子だったか年の離れた兄がいたか忘れたけれど、母親も働いていて留守がちで、寂しそうな人だった。しかし学年が変わってクラスが変わったのを理由にして私は彼のところに遊びに行かなくなり、彼からも特に誘いもないまま関係は解消した。その後の彼は、不良グループの末端に入り、ボンタンを履いて登校するようになった。学校で会えば話をしたけれど、それからは学校の外では会わなくなった。一方で私はそれ以前から周りに学力の高い友人が集まるようになり、それまで悪かった学校の成績が徐々に上がっていった。

    と、思わず思い出話をしてしまった。古いソフトなので当然いま手に入れるのは厳しいだろうし、遊んでもいまさら感があると思う。もしいまこのゲームに似たゲームで遊びたいならば、ゲームキューブ用のソフト「SDガンダム ガシャポンウォーズ」が良いと思う。また、クライアントをダウンロードしただけで遊んでみたことがないのだけど、韓国製のネットワークゲームでなぜかこんな形のアクション型シミュレーションゲームがサービス中らしい。

    (最終更新日: 2010年9月19日 by ひっちぃ)

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