そのノブは心の扉 人間ドック (第198回)
劇団ひとり (週刊文春 2010.9.16)
まあまあ(10点) 2010年9月26日 ひっちぃ
お笑い芸人で作家の劇団ひとり(川島省吾)の連載エッセイ。この回は、人間ドックで直腸検査をやった話と、漢方薬とサプリメントの問題について書いている。
人間ドックで直腸検査をやるところがあるとはびっくりした。私は昔、内臓のどこかから出血して貧血になったときに、内臓のどこから出血しているのか胃カメラでは分からなかったので、今回の劇団ひとりのように直腸検査というか大腸カメラをやったことがあるのだけど、あれは本当におおごとだった。書かれているように大腸をカラにしないといけなくて、そのために無色透明の液体を大量に飲む。劇団ひとりは液体を飲むこと自体は平気だと書いているけれど、変な金属臭のする液体を何回かに分けて2リットルぐらい飲むのは非常に苦痛だった。その後、若い看護婦にチェックしてもらうのが非常に恥ずかしかったと劇団ひとりは書いている。私のときは一ヶ月ほど入院している最中だったのでさほど羞恥心は感じなかったけれど、看護婦さんに浣腸までしてもらったので、あとで考えてみるとあれはすごい体験だったと思った。幸いなことに目覚めずには済んだ。ガスで局所麻酔する描写があって自分のときと同じで懐かしく感じた。
でここからが本題なのだけど、劇団ひとりはこのときの検査でガンマGTPの値が異常に高く出てしまい、なんと肝硬変寸前だと言われてしまう。そのためしばらく入院して検査を受けていたとのこと。原因は漢方とサプリメントだったらしい。漢方が体に合わなかったのか肝臓の役割を弱めていた上に、大量に飲んでいたサプリメントを分解するために肝臓がフル稼働していたのだそうだ。
まあいまさらサプリメント批判とかしてもしょうがないのだけど、過剰摂取してもせいぜい小便になってそのまま出る程度だと思っていたらこんな深刻なことにもなるのだと知って衝撃を受けた。よく食品添加物とかの害が言われてるけれど、人間の食べるものはどんなに気を配ってもなにかしら有害なものが含まれてしまうので、そんなに神経質にならずに量だけ気をつければいいという考え方が主流だと思う。そんな中で、たった十錠程度のサプリメントを習慣的に飲んでいただけでここまで重症になるのは恐ろしい。ここまで重症にならなくても、普段の食べ物のせいで慢性的に調子が悪い人なんていっぱいいそうだなあと思った。
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