iPod Touch 第四世代 64GB
Apple
まあまあ(10点)
2012年2月12日
ひっちぃ
アメリカのパソコン製造会社だったAppleが、Macintoshの大成功のあとで没落し、一度は追い出した共同創業者スティーブ・ジョブズを呼び戻してから、音楽市場に参入すべく開発した携帯音楽プレイヤーiPodのシリーズとして、携帯電話iPhoneの携帯情報端末としての機能を抜き出したもの。
既にHTC AriaというAndroid携帯とSonyのWalkmanを持っていた私にとって、このiPod Touchは本来ならば用途的には必要なかったのだけど、携帯でアプリを使っているとバッテリーの消耗が大きかったため、別途小さい端末が欲しくなって購入した。Androidを使っていたので同じAndroidマシンにしたほうがアプリが統一されて良いとも思ったけれど、iPhoneやiPadで使われているiOSにも触れてみたほうがいいんじゃないかと思ってこっちを選んだ。
美しい。とにかく美しい。3.5インチで960×640という圧倒的な高解像度は、もはや人間の目にはドット（画素）が見えないと言われているとおり、まるで印刷物でも見ているかのようだ。本体重量が101gしかなく、薄くて手になじむ。
初めて電源を入れて使い始めるときの画面操作が割と親切で分かりやすい。ちょっと長いけど。これならあまりコンピュータが得意でない人でも使えると思う。ソフトウェアキーボードがちょっと打ちづらいかな。無線LANのパスワードを入力するのが難しかった。でも一度設定してしまえばあとは気にしないでいい。
実のところ私は結局このマシンを2ちゃんねるの閲覧のためにしか使っていない。豊富なアプリがあるのだけど別に特に興味ないし、ブラウザを使ってネットサーフィンするには画面が小さすぎるし、メールだって打ちづらいから使っていない。ネットの接続は家では無線LANで出先ではHTC Ariaを使ったPocket Wifiでイーモバイルの回線を使って行っている。
iOSで2ちゃんねる専用ブラウザといえばまず挙がるのがBB2Cなので真っ先に導入してみた。超高解像度を十分に活かしたきれいな画面レイアウトに少し感動した。でも機能的にはAndroidでよく使っている2chmateとさほど違いがないほか、設定できる項目が微妙に物足りず、一日一回100スレまでチェックしたいのに何番目のスレか表示する機能がなかったので早々に使わなくなった。
代わりに2tchという専ブラを使っていまに至っているのだけど、こちらはレスの関連づけ機能が弱い上に、レスをたどるリンクが押しづらい。一行が長いレスを自動的に文字サイズを小さくして表示してくれるのだけど、文字が小さい上に画面からはみ出して読めなくなることがある。
突然アプリが落ちることがたびたび起きる。これはBB2Cでも2tchでも起きたのでiOSの問題だと思う。落ちたあと再びアプリを立ち上げなおすと、消したはずのブックマークが復活している。これはひょっとして、メインストレージであるフラッシュROMはデータの消去に高い電圧を必要とするので、バッテリーを持たせるためにiOSが数十秒〜数分おきにまとめて消去しようとして、電圧が足りないとかで処理が失敗しているんじゃないかと想像する。ひどいときは一時間に三回ぐらい落ちる。
本体の背面が鏡面のように磨かれた金属製になっていて美しい…のは買った直後だけの話で、使っているうちに細かい傷がついて汚くなる。手の油も目立つので、正直他人のiPodは触りたくない。一方で液晶のほうは指紋がつきにくい加工がされているみたいでそんなに気にならない。
ライブチャットに使うためかカメラが外側と内側の両方についている。何の根拠もない言いがかりだけど、Appleがその気になればこっそり使用者の顔と個人情報を記録して管理することができるので、こっそりやってるんじゃないかと疑いたくなる。
動画はMPEG4 h264のmainプロファイルが再生できる。これは一般的な携帯端末より高く、事実上のライバルとなっているAndroidの3.xよりも上だ。ちなみにiPhoneの同世代の機種はhighプロファイルが再生できる。でも画面が小さいので動画を見る気にはなれなかった。ほかにiPhoneとの違いとしてGPSの有無がある。
音楽プレイヤーとしての性能は、実のところ大して使っていないのでよくわからないけれど、選曲はスムーズだし画面が大きいので情報量が多くて良いと思う。ヘッドホンをつないで聴くとさすがにデジタルアンプのウォークマンには劣るのだけど、それなりにいい音で鳴っていたと思う。それにiPod Touchは下部の専用コネクタからデジタル信号を直接出すことができるため、外付けのヘッドホンアンプを併用すれば音をよくすることができる。
私が購入したときは、8GBが一万八千円ぐらい、32GBが二万四千円くらい、そしてこの64GBが三万二千円ぐらいだった。2ちゃんねるを見るぐらいなら8GBで十分だったのだけど、一応iOSの色んな機能を試してみたくて、動画再生にも少し期待していたほか、予備の携帯音楽プレイヤーとして使うことも考えて結局一番大容量の64GBを買ってしまった。使い始めてから三ヶ月ぐらい過ぎたけれど、まだ15GBぐらいしかデータが入っていない。
これで3Dのゲームも動くはずだし知り合いがiPhoneでゲームをやっているところを見たこともあるのだけど、自分でそれをやってみたいとは思わなかった。やるに値するゲームはないと思っている。ファイナルファンタジーシリーズも移植されているらしい。
Androidよりもアプリ数が少ない。2ちゃんねるの専用ブラウザぐらいしか真剣に探さなかったのだけど、明らかにAndroidのほうがアプリが揃っている。Appleが審査を通したアプリしか使えないからだろう。そのおかげでコンピュータウイルスは少ないみたいで、Androidより安全らしい。脱獄といってクラッキングしたら好きにアプリを入れられるらしいけれど、特にやってみたいとも思わなかった。
満員電車の中で目にやさしいきれいな画面で片手で2ちゃんねるが楽しめるというだけで私の中ではこのiPod Touchは十分な価値がある…と言いたいところなのだけど、頻繁に落ちるのがうざったい。すごく完成度の高い情報機器なだけに、その点だけが非常に残念なところだ。代わりになりそうなAndroid端末が出たら乗り換えてしまうと思う。
(最終更新日: 2012年3月20日 by ひっちぃ)
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