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  • シュガー・ラッシュ(原題:Wreck-It Ralph)

    リッチ・ムーア監督 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ

    まあまあ(10点)
    2013年8月4日
    ひっちぃ

    80年代に開発されてから30年もゲームセンターに置かれているレトロなアーケードゲームで悪役をやってきた怪力男ラルフは、ずっと自分がやられ役をしていてみんなから嫌われていることに我慢が出来なくなり、自分もヒーローになりたいと思ってゲームを飛び出した。違うゲームの世界に迷い込んだラルフは、そこで自分と同じくみんなから嫌われていた少女ヴァネロペと出会い、彼女の手助けをしているうちに、大事なことに気づいていく。ディズニー系列のアニメーションCG映画。

    ファミコン世代の人間にはおなじみのパックマンのモンスターやスーパーマリオブラザーズのクッパなんかが出てくるテレビコマーシャルを見てずっと気になっていたけれど、そんなに見たいというほどではなかったので映画館に足を運ぶには至らなかった。その後、auのスマートホンを契約したときに割引の条件として加入したビデオパスという動画視聴サービスで月に一枚発行されるレンタルチケットを使って何か見ることができるというので色々漁っていたらこの作品が目に留まったので視聴してみた。なお、チケットを使わなければ二日間のレンタルで525円掛かっていたみたい。

    架空のゲームの悪役ラルフが主人公なのだけど、こいつは悪役としての悩みを抱えていて、同じ悩みを持ついろんなゲームの悪役たちが週末だかなんだかわからないけれど定期的に集まって会合を開いている。パックマンのモンスターがホスト役としてラルフから悩みを聞き出している。悪役たちは自分に折り合いをつけて役割を全うするよう自分たちを方向づけようとしている。

    ラルフがいるゲームというのはWreck-It Ralphという架空のゲームで、ビルの屋上にいるラルフが岩を落としてビルの窓ガラスを割るので、プレイヤーは主人公フィリックスを操って修繕していく。なんだか題名的にも任天堂のゲーム「レッキング・クルー(WRECKING CREW)」に近いような気がする。もっともこちらはプレイヤーが壁を壊す側なのだけど。

    とりあえずストーリーの話をすると、その後ラルフは最新のFPS(自分視点のガンシューティングゲーム)という設定のヒーローズ・デューティというゲームの世界に乱入し(ヘイローとコール・オブ・デューティが混ざったような名前だ)、そこでヒーローの証であるメダルを手に入れるが、その世界から脱出するときにサイ・バグという虫の幼虫をつれたまま、今度はレース・ゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界に迷い込んでしまう。あ、細かい話をしてもしょうがないか。まあ少しだけ続けると、そこでヴァネロペという超なまいきな少女と出会い、彼女のペースに乗せられて彼女のためにそのゲームの世界で開かれるレースに参加して勝つために協力する。

    この作品、なにがテーマでどこが面白いのかと言われると、はっきりしたことが言えなくて分かりづらい。ヒーローになりたかった悪役ラルフが自分の役割を受け入れる物語、なのだと思うのだけど、そんなに強くは受け入れていない。ラルフにとって一番強く印象に残ったのは、少女ヴァネロペが自分のために作ってくれた手製のメダルだと思う。やはりラルフはヒーローになりたかったのだ。それでも自分の役割に納得するようになった。そして、主役として返り咲いたヴァネロペの姿を画面の向こうから時折ながめている。…という、なんだかほろ苦い感じのラストになっている。ひょっとしたらラルフは、主役になれなかった大多数の観衆の気持ちを引き受けてくれたのかもしれない。

    Wikipediaを見ていきなりびっくりしたのは、この作品の原題がWreck-It Ralphだということ。なぜ邦題はレースゲーム「シュガー・ラッシュ」から取ってきたのだろうか。まあ中盤以降の舞台がここなのだから分からなくはないんだけど。ちなみにこの架空のゲーム「シュガー・ラッシュ」は、任天堂の「マリオ・カート」を元にしているらしい。車とかコースがお菓子で出来ているからこんな名前になっている。

    監督がゲーム特に日本のゲームに強い愛情を持っていることがとてもよく伝わってくる。っていうか自ら公言している。カプコンの「ストリート・ファイター」シリーズに出てくるロシア人レスラーのザンギエフとか悪のボスであるベガが出てきて脇役をやっていたり、ナムコの「ディグダグ」のキャラが画面上を横切ったりと、ゲーム好きの心をくすぐる造りになっている。もちろん洋ゲーもフィーチャーされていて、架空のキャラではあるものの女軍曹カルホーンはいかにもあっちのゲームに出てくるヒロインっぽくて色気と人間味があって表情豊かでかわいい。

    エンディングロールをずっと最後まで見たのだけど、途中で日本語の歌が出てきてびっくりした。キャストを見ていたら秋元康とAKB48の名前が出てきてまたびっくり。正直AKB48の存在は個人的に徹底的に無視したいのだけど、この「シュガー・ラッシュ」という歌はとても良かった。まあ作曲はあっちの人なんだけど。

    この作品、面白いという評判を聞かなかったのであまり期待していなかったのだけど、なんだかんだで最後までそこそこ面白く見ることができた。すごく面白いというほどではないのだけど、ゲーム好きでタダなら見る価値はあると思う。いずれまたディズニーの新作CG映画が封切られると、プロモーションでこの作品がテレビ放映されるだろうから、そのときに見てみるといいと思う。

    [参考]
    http://www.disney.co.jp/
    sugar-rush/

    (最終更新日: 2024年4月26日 by ひっちぃ)

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