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  • MMORPGの面白さってなんだ?――オンラインゲーム開発のあれこれを語り尽くす「DQX」「FFXI」「FFXIV」プロデューサー座談会

    4gamer (編集部, 齊藤陽介, 吉田直樹, 松井聡彦)

    まあまあ(10点)
    2014年3月9日
    ひっちぃ

    大手ゲーム制作・出版会社のスクウェア・エニックスが開発・運営している三つのMMORPG(大規模多人数参加型ロールプレイングゲーム)のプロデューサが集まってオンラインゲームについての思い出話や現在運営しているゲームについての話をしているのをまとめたインタビュー記事。

    掲載しているのは主に海外ゲームに強い4gamer.netというオンライン雑誌みたいなサイト。

    自分はこのMMORPGというジャンルのゲームが大好きだったのだけど、ついにドラゴンクエストXのキッズタイム(無料プレイ時間帯)にすら一切ログインしなくなった。2ちゃんねるのネトゲ実況板(通称ネ実)にこのインタビュー記事についてのスレッドが立っていたので、中の人たちがいまどんなことを考えているのかという興味と、どうして同社のゲームがここまでつまらなくなったのかヒントがあるんじゃないかと思って読んでみた。

    読んで一番意外だったのは、いまの責任者の人たちも初期のオンラインゲームにハマってディープに遊んでいた人たちだったこと。てっきりいまの責任者の人たちはオンラインゲームについてあまりよく知らないのかと思っていた。ウルティマ・オンラインやエバークエストなどを遊んでいたときの体験談とかちょっと面白かった。

    ゲームがいまの形になったのは、「時代が許さなくなった」ことが原因だと言っている。いまやスマートフォンで遊ぶ手軽なゲームが幅を利かせ、据え置き型のゲームもどんどん手軽なものがよく遊ばれるようになっていっているので、面倒くさい要素や時間が掛かる仕組みを盛り込んだら遊んでもらえないのだそうだ。

    よく言うよと思う。

    面白いゲームが作れなくなった全部言い訳にしか聞こえない。粗悪なコンテンツばかり乱造して、時代もなにも関係ない既存のプレイヤーからも見捨てられ、よく分からないカジュアルなプレイヤーと一部の熱心な信者だけが遊んでいるのが現状だと思う。

    一つだけ具体例が示されている。「なぜ週に取れるアイテムに制限をかけるんだ」という問い合わせが多いらしい。この手のゲームには、入手が難しいレアアイテムと呼ばれるものがあって、苦難の末に入手するのがゲームの大きな楽しみの一つとなっている。こういうアイテムが簡単に手に入ると逆にプレイヤーとしてはやりがいがなくて面白くないし、逆にぜんぜん入手できないと当然つまらなくなる。このあたりのバランスはとても難しい。そりゃそうだ。なんてったってゲームの核なんだし。単純に入手確率を上げるだけだと、プレイ時間が長い人にとっては楽になり、短い人にとっては厳しくなる。でその解決方法としてこの人たちが選んだのが「週に取れるアイテムに制限をかける」ことだった。しかしそうすることで、もっと遊びたいと思う熱心なプレイヤーに水を差すことになってしまった。でも多くの人にとってはこのルールを設けるほうが良かったんじゃないかと。そして最終的には価値観の問題だと言っている。

    このレアアイテムの問題に対するアプローチについてはそんなに異論はないのでここに突っ込むことでもないのだけど、具体例がこれしかないのであえてここに関して言うと、公平さに価値を置きすぎているんじゃないかと思う。たとえば、宝くじの一回の購入枚数を制限したら、お金持ちが有利じゃなくなるので公平に感じる人が増えて愛好人口が増えるだろうか?一日に2時間までしか遊べないようにすると、あまりゲームで遊ぶ時間を持てない人が公平に感じて遊ぶようになるだろうか?

    自分もオンラインゲームにかなり熱中していた時期があるので、ありあまる時間のある無職や学生のヘビーゲーマーに対してはうんざりしていたので、これをなんとかしたいと思う気持ちというか価値観はとてもよく分かる。でも、これってそんなに重要なことではないと思う。

    ただ、この点については別の問題もあって、採算という点で言えば出来るだけ長い間遊んでもらって課金してくれなきゃ困る。熱中して遊んでいると飽きてしまうのも早くなるので、そうなると課金を止めてしまうかもしれないから出来るだけプレイ期間を引き延ばす必要がある。とはいってもこの点についても異論があって、人を引き留める対策を他に考えればいいんじゃないかと思う。そんなに簡単にはいかないだろうけれど、「週に取れるアイテムに制限をかける」といった対策はあまりに安易すぎると思う。

    結論を言うと、ああだからこうだ、こうだからああだ、といった次元の話ではなく、ただただつまらないものしか作れなくなっただけなんじゃないかと思う。

    ちなみに自分はいま「艦隊これくしょん」というカジュアルゲームにハマっている。正直そこまで面白いゲームではないのだけど、テレビを見ながらとかネットをしながら遊べるのがいい。なんだ結局時代のせいじゃないかと言われるかもしれないけれど、確かにそのとおりかもしれない。ゲームに専念して遊ぶことが少なくなった。でもそれは面白いゲームが少なくなったからだと思う。あんまり面白くないゲームでも、ほかのことをしながらだったら遊べる。テレビもそれだけ一心に見て楽しめるものが少ないので、カジュアルゲームも同時にやることで初めて満足のいく楽しさになる。MMORPGというジャンルもそういう「ながら」プレイの需要があって、チャットにゲームがついたようなものだと豪語している人もいるぐらいなのに、FF14やDQXをクリックゲーやボタンポチポチゲームにしてしまった。

    対談の中で、自分もプレイして他のプレイヤーの動きを見るのが楽しいだとか、アップデート前後のソーシャルメディアの反応を追うのがなんともいえないだとか、そんなことを言っている人がいたので、「時代に合わせて」そういった方向にゲームを進化させるのもアリなんじゃないかなあと思う。MMOの最大の魅力って不特定多数のプレイヤーが動くのを観察したりすることだと思うし。もっと「見る」ことや放置するのを肯定する楽しみ方を追求してみたらどうだろうか。もちろん自分からも何か働きかけることが出来ないと面白くないけれど、そういったことが必要最小限で済むようにすると面倒じゃなくていいと思う。

    続き

    [参考]
    http://www.4gamer.net/games/139/
    G013991/20140307079/

    (最終更新日: 2014年3月9日 by ひっちぃ)

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