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  • Express 5800 / GT110d NP8100-1766YP5Y

    NEC (日本電気)

    まあまあ(10点)
    2015年2月22日
    ひっちぃ

    NECが2011年に出した低価格エントリーPCサーバの中で、もっともスペックが低いモデル。サーバ用のチップセットIntel C204とECCメモリを使っているものの、CPUは普通のPC用のCeleron G530を搭載している。一応サーバなのでLANが二系統に加えて管理用のポートも備えており、電源まわりなんかもサーバ仕様になっている。

    NECの安いサーバはネットでは通称「鼻毛鯖」と呼ばれており、NTT-X Storeという通販サイトで鼻毛カッターのおまけつきで売られたことに因っている。完全動作する新品のPCがたったの16,800円前後で手に入ったことから話題になり、いかにして普通のPCとして使うかで活発なやりとりが生まれた。

    狭義の「鼻毛鯖」はS70シリーズという亜流であり、サーバでありながらもECCつきでない普通のメモリが使えるなど中途半端なスペックを持っていたのに対して、このGT110dは高価なECCつきメモリしか使えず、サウンド機能もついていない。

    なぜNECが本来八万円ぐらいで売っているPCを投げ売りしているのかというと、おそらくサーバの出荷台数日本一の座を守りたいからではないかと言われている。自分はこのモデルを2012年3月末に買ったのだけど、きっと決算前の駆け込みでさらなる値下げをしたからだと思う。カラーレーザープリンタMultiWriter 5600Cとの抱き合わせで二万三千円ぐらいで手に入れた。PCもそうだけどカラーレーザープリンタが一万円を切っているのもすごいと思う。こっちは自社開発じゃなくて富士ゼロックスのOEM品なのに。

    メモリを2GBしか積んでいないので、市販の安くて大容量のメモリに差し替えてみたら案の定起動しなかった。そこで仕方なくECCつきのメモリ4GB×2を7,200円で買った。Century Microという日本のモジュールメーカーの高級品だった。いまの相場からすると全然高くないじゃん、と思うかもしれないけれど、当時は普通のメモリなら8GB×4で二万円を切るぐらいだったので倍近くした。ちなみにその後、普通のメモリはその半額ぐらいにまで下がったのだけど、日本のエルピーダメモリが倒産してアメリカのMicronに買収されてから過当競争が収まりはじめ、今では普通のメモリが8GBで八千円ほどと円安のせいもあってだいぶ値上がりしている。

    CPUもせっかくだからとXeon E3-1230に載せ換えてみた。一応使えたのだけど、本来のCPUじゃないというのでBIOSで警告が出てしまう。警告はBIOSの設定を変えれば無視できるので実用上何の問題もなかった。ちなみにXeon E3-1230はSandy Bridge世代のCore i7 2600からクロックを3.4GHz⇒3.2GHzに落としてグラフィックス機能を省いたものに相当する。Express 5800 GT110dのラインナップの最高はXeon E3-1220のモデルが存在するのだけど、こっちはHyper-Threadingが使えないCore i5 2400相当なのでそれより性能の高いCPUを載せたことになる。ちゃんと8スレッドで認識された。

    電源コンセントにつないでもすぐには電源がつかない。二三分ぐらい待たないといけない。よくわからないけれどこれがサーバ仕様らしい。電源ランプのオレンジ色が消灯すると電源オンに出来るようになる。

    電源を入れるとファンの音が結構うるさいことに気付いた。まあネットでも散々言われていることなので分かっていたのだけど、やはりうるさい。こういうサーバ機というのは、多少うるさくてもしっかり排気して熱を外に出すことを求められるので仕方がない。なんとかする方法はいくつかあるらしいけれど、常用するようになってから考えることにした。

    もう二年も前の話なのでなにをやったのかうろ覚えなのだけど、確かまずWindows Vista Home Edition 64bitあたりを入れた気がする。随分前に安かったから買っておいたのだけど、適当に組み立てたPCにまず試しに入れてライセンス登録せずに使いまわしていたので、このときも確かそうやって一度入れてみたんだと思う。あるいはWindows 8 Customer Preview版かWindows 7 Enterprise Editionの試用版だったか。いまならWindows 10のConsumer Preview版が合法的に使えるので、OSを試す用途でならタダで入れることが出来る。

    で、ビデオカードとしてGeForce 9600GTを追加して、Civilization Vという3Dの戦略ゲームで遊んでみたら普通に遊べた。Radeon HD 5870も持っていたのだけど、なにせ電源容量が400Wしかないので厳しいだろうと思ってあきらめた。9600GTも補助電源コネクタが必要で、サーバ用の電源なのでそんなものはなかったのだけど、こっちは普通の12V/5Vのコネクタを変換して使った。そうそう、電源は400Wしかないけれど80PLUS GOLDを満たしているので効率がいい。この点も購入を決定づけた点の一つだったのを思い出した。

    そのあと、VMWare ESXiというハードウェア仮想化OS(というほどの機能は持っていないのでハイパーバイザーと言うらしい)を入れた。こいつはVMWare Playerと違ってWindowsやLinuxの上で動くのではなく自身がOSレベルで動くようになっているので、WindowsやLinuxが下にない分おそらくより安定している。そしてなによりNECが公式にサポートしている。ちなみにNECは普通のWindowsやLinuxをサポートしていなくて、正式に対応しているのはWindows Server 2003 R2と2008と2008 R2だけで、あとは動作確認済みOSとしてRed Hat Enterprise LinuxやCentOSやUbuntuを挙げている。そしてVMWare ESXi 5.0については正式にサポートしている。となるとESXiは多くのOSを正式にサポートしているので、ESXiを使えば大抵のOSが動くことになる。これはすごい。でも自分が試した当時はWindows 8がまだ出たばかりだったせいか、それとも入れたESXiのバージョンが低かったせいか、うまく動作させることが出来なかった。まだPreview版だったし。

    で結局何をやりたかったのかというと、ESXiの上にWindowsとLinuxを両方入れて、一台のサーバで二つのOSを運用したかった。でも結局その試みは断念した。いくつか理由があって、まず本体のサイズが大きかったこと、ファンの音がうるさかったこと、そして消費電力がアイドル時で30W台、通常時で50W台、激しく使うと100W近くまで上がったこと。それからそもそもこんなスペックのサーバを常時動かす必要があるほどのマシンパワーは必要なかったのだった。

    それからは、仮想マシンの実験用途でたまに使うぐらいになってしまった。もう長いこと電源を入れていない。実験用途ならメインマシンでWindows版のVMWare Playerを立ち上げた方が早いし。

    最近になって、東芝のエンタープライズ向けHDDの3TBのやつが一万円ちょっとで売られていたので、四台買ってRAID 0+1でも組んでまたサーバごっこでもやろうかと思っていたのだけどやめた。使わないしw 四万も出したら今までの本体+メモリ+CPUの値段を超えてしまう。昔、会社の先輩が家でクラスターマシンごっこをやっていたと言っていたのだけど、電源なんかも二重化していたらしい。

    そうそう、こいつに最初から入っているのは、Western Digital製のエンタープライズ向けHDDの160GBのもの。一応サーバ用なので耐久性能が高いらしいけれど、いまはSSDが安いので大した価値はないと思う。まあそれでもこの値段でこのHDDがついていること自体がすごい。

    VMWare ESXiについて色々調べていたら、VMWareはvSphereという製品を前面に出して売り出しているらしいということが分かった。こいつはESXiから一歩進めて、複数のマシンを中央で集中管理できるようになっているみたいだ。バックアップを取ったり、おかしな動作をするマシンを仮想マシンごと遠隔で入れ替えたりできるらしい。さすがにこいつの無償版はなかったので(評価版はあったけど)結局試さなかったのだけど、なるほど仮想化のメリットってこういった集中管理できる点にもあるんだなあと思った。

    っとVMWareの話になってしまったので話を戻すと、こいつにWindowsを直接入れて使うのは動作保障外なのだけど、一応使えることは使える。ただし、普通のスリープが使えない。なにせ造りがサーバ機なのだから。それにWindows 8の高速起動にも対応していない。また、電源をオフにしていても確か5Wぐらい消費してしまう。そもそもサーバというのは常時電源オンが当たり前なのだからしょうがない。そして前述したとおり、いったんコンセントを抜くと、また刺したときにすぐには電源オンにはできない。つまり、いくら安いからといって、普通の家庭用PCと同じように使うのは難しいということ。

    だから逆に、これらの点でしっかりサーバ機であることは疑いなく、そんなサーバ機が実質たったの一万円ちょっとで手に入ってしまったのは驚くべきことだと言える。DVD-ROMドライブもついてるし。スリム型だけど。

    ただ、マザーボードや電源の各種形状が普通の自作用のパーツとはちょっと違うので、必要なパーツだけ入れ替えて使うことが困難だということ。一方でHDDや前述のDVD-ROMドライブなんかは普通のものなのでバラして流用したり交換したり出来る。

    NECに限らず富士通やDELLやHPなんかもエントリーサーバ機を時々投げ売りしているので、興味があれば買ってみるといいと思う。いまだと富士通のAMD機がNTT-X Storeで売られている。各社各様なので面白いけれど、ファンがうるさいことは大体共通しているのでその点だけは承知しておいたほうがいい。

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