彼岸島 6巻まで
松本光司 (講談社 ヤンマガKC)
いまいち(-10点) 2015年3月14日 ひっちぃ
幼馴染の女の子ユキを兄貴分のケンちゃんに取られたまま悶々と仲間づきあいを続ける明だったが、あるとき妖艶な女を助けて家に連れ込んだ時に持ち込まれた騒動で、二年前に行方不明になった兄の消息の手がかりを得て、吸血鬼たちが住まうという「彼岸島」へと向かう。青年マンガ。
巨大掲示板2ちゃんねるのまとめブログ「ニュー速クオリティ」でしつこく取り上げられていたので、気になって読んでみた。
主人公の明が子供の頃からずっと好きだった幼馴染の女の子ユキのことを妄想の中で素っ裸にして欲情しているシーンが生々しい。明の悶々とした思いがすごく伝わってきて、このエロ描写は素晴らしい。まあ単なるサービス的なエロもあって、いかにもヤングジャンプに連載されていた作品らしいなあと思わずにはいられなかったのだけど。
「彼岸島」という物理的にも閉鎖的で不気味な村社会に潜入するというのが題のとおりこの作品の一番の魅力で、吸血鬼という人ならざるものを扱っている上にさらに「一番怖いのは人間」という点を押さえていて、単なるゾンビものよりも怖くて面白い。
いわゆる「とにかく読ませる系」の作品なので、先の展開が気になってどんどん読み進めていったのだけど、自分の場合はあっけなく6巻の途中で挫折した。全33巻もあるんだからもっと読めると思っていただけに、予想外の失速にガッカリした。
理由は簡単で、話が行き当たりばったりすぎると感じたから。少なくとも自分には子供だましの紙芝居のように思えた。でも全33巻まであってなおかつ続編まであるのだから、大多数の読者に受け入られたのだと思う。
SM描写あり。素っ裸で椅子に括り付けられて栄養だけ強制的に経口摂取させられる男女なんかが描かれる。
巨大掲示板2ちゃんねるでは、この作品はネタ扱いされていて、毎度毎度の超展開をみんなで嘲笑するのがまとめブログのコンテンツになっている。でも自分が読んだ6巻までは、安易な展開はあっても強引すぎる展開はなかったように思えたので、自分は笑えるところまでは行かなかった。
マンガ喫茶で時間をつぶさなければならないときに思い出したらこの作品を読んでみるのもいいかもしれない。
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