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    ETV特集 (日本放送協会 Eテレ)

    まあまあ(10点)
    2018年1月8日
    ひっちぃ

    ロシアのロマノフ王朝が倒されて世界初の共産主義国家ソビエトが生まれるまでのロシア革命を、歴史上の一点ではなく複数の出来事の連続として解説したドキュメンタリー番組。

    題がなんか面白そうだったから見てみた。レビューというよりは内容をまとめておきたいので書く。

    歴史の教科書や年表なんかだと革命はいつ起きてどうなったとしか書かれないものだけど、実際に国が変わるのは一瞬ではなくて時間が掛かるものなので、その過程を追ってくれるのは興味深かった。

    まず前段階として、ドイツを中心とした外国勢力による焚き付けがあったと言っている。革命勢力に対して積極的に資金援助していた。日本もまた行っていて、明石大佐がお金だけでなく武器も援助しようとしていた(武器は失敗したらしい)。

    革命が起きるほどの不満はなんだったのかというと、皇帝一家の贅沢な暮らしぶりのほかに、資本家たちが自分たちの利益のために第一次世界大戦を戦い続けたいと思っていて、都市労働者や農民たちが戦争に駆り出されたことだった。第一次世界大戦で250万人も戦争で死んでいる。あと農地か。

    最初に起きた革命で皇帝一家は全員処刑されたが、臨時政府は資本家たちが握ったため戦争は継続され、その結果再びクーデターが起きた。映画とかではこのときまた紛争が起きたかのように描いているが、実際には臨時政府は無抵抗だったらしい(だから逮捕で済んだ?)。

    これでようやく労働者の国が出来たのかというとそうはならなかった。レーニンは選挙を行ったが、都市労働者から支持を得ていたボリシェビキ党ではなく、農民から支持を得ていたエスエル党が過半数以上の議席をとった。そこでレーニンは議会を閉鎖して権力をふるおうとしたため、再び内戦状態となった。

    今度は都市労働者を中心とした赤軍と、資本家や旧軍を中心とした白軍とが、全土で戦った。農民はどうしたのか。このとき飢饉が起きて食糧不足となり、都市への食糧供給が止まって闇市で高く取引されるようになったため、レーニンは農村に食糧徴発部隊を送って強制挑発した。高い穀物を買わされていた都市労働者たちの不満が農民に対してぶつけられ、これに農民が反発して反乱が起きた。

    この反乱を鎮圧しようとするなかでレーニンが農民に対して毒ガスを使ったらしかった。たぶんこの番組の一番とりあげたかった「真実」はこれだと思う。実際はどうだったか分からないけれど、すでに戦意を失って武装放棄していた農民を一方的に虐殺した、みたいな感じで解説していた(このへん正直眉唾だけど徹底的に鎮圧する強い意志があったらしい)。

    自分がこの番組を見て一番に感じたのは、やはり政治を変えるには暴力しかないのかな(!)ということだった。

    日本では暴力によるクーデターは起きないかというと、そんなことはないと思う。社会保障費がパンクしそうなので、年金だけでは暮らしていけない人、生活保護が十分にもらえなくなる人が増えてくると、強盗団が多く出るようになると思う。何人かで徒党を組めば、夜間のコンビニなんて簡単に襲えるし、頻発するようになると警察では抑えきれなくなると思う。警察も同情的になってあまり真剣に捜査しなくなることも考えられるんじゃないだろうか。そうなると目に見えて政治への不満が高まってきて、政権がひっくり返りそう。

    このところ受信料をめぐりNHKに有利な判決が出ており、最低限の報道を除いてさっさとスクランブル化して本当に視聴したい人だけ金を払う仕組みを作って欲しいのだけど、金があるだけあってこういう番組は民放には難しいんだろうなあ。NHK以外でこういう番組が作れるようお金が巡り巡るような仕組みが出来てほしい。

    (最終更新日: 2019年9月8日 by ひっちぃ)

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