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    奥浩哉 (講談社 イブニングKC)

    まあまあ(10点)
    2018年3月11日
    ひっちぃ

    晩婚で老け顔のサラリーマン犬屋敷壱郎は、ようやく念願のマイホームを手に入れたが、家族からはひどく疎まれていた。それでも時折世の中の不条理を嘆きながら穏やかに暮らしていたが、ガンで余命三か月だと宣告されてしまう。しかし不思議な事件により彼はなんでもできる能力を身につける。青年マンガ。

    一度死んだ人間たちが得体のしれない敵と戦う「GANTZ」の作者である奥浩哉の作品なのだけど、表紙がじいさんの顔のアップでびっくりした。まったく期待せずに読んでみたら割と面白かった。

    さえないじいさんが宇宙人から手術を受けてスーパーマンになってしまい、これまで見過ごしていた世の不条理を解決していくのが爽快だった。やくざと戦ったり、不治の病を治したりする。最近流行っている俺TUEEE物っぽい単純な話なのだけど、いい話だなあと普通に楽しめた。

    主人公と同じく超人になってしまった若者がいて、逆にそいつは自分の気に入らないやつを自由きままに殺してしまう。この物語は最終的にそいつとの一騎打ちになる。展開が気になるのでグイグイ読んでいった。

    よく言えば分かりやすい娯楽作品、悪く言えばあざとくて単純な作品?別に悪く言う必要はないんだけどw

    この作品でいいなあと思ったのは、愛が描かれているところ。主人公は娘や家族を守ろうとするし、家族もまた主人公の気持ちに気づいて通じ合う。身勝手に人を殺しまくった若者にもまた大切な人がいて、守りたいという気持ちを持っている。赤の他人に共感できないだけで、人はみんな愛を持っているんだなあ、って感じさせてくれた。

    読んでも読まなくてもいい作品だと思うし、特に時間のない人や他に有意義な時間の使い方がある人には勧めないけれど、楽しくてスッキリして愛を感じられるいい娯楽作品だと思う。

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