iPad Pro 12.9インチ
Apple
まあまあ(10点) 2019年6月16日 ひっちぃ
アメリカの精密機器メーカーAppleが2019年10月に発売したタブレット端末iPadの最上位モデルの最新版。さらに強力になったCPUやGPU、ワイヤレス充電に対応した同時発売の第二世代のApple Pencil、同社独自のLightningコネクタを廃して世界標準のUSB3.1 Type-Cになったのが主な特徴。
自分がこれを買った目的は大きく二つあって、まずコロプラのスマホゲーム「白猫テニス」をやるのにこれまで使っていたiPad Pro 10.5インチのタッチパネルの反応がおかしくなってきたので新しくてさらに速い端末が欲しかったのと、パナソニックのBlu-rayレコーダーVIERAで録画したテレビ番組をタブレット端末で見るのに出来るだけ画面の大きい端末が欲しかったから。普通にヨドバシカメラで256GBモデルの新品を14万ぐらいで買った。ポイントがたまりすぎていたのでそろそろ使いたいと思っていたところだった。
自分は普段40インチの液晶モニタにつないだ自作PCを主に使っていて、ノートPCは物欲に駆られて買ったパナソニックのLet’s note RZ4という750g級の小型マシンを持っているもののほとんど使っておらず、机以外ではもっぱらタブレット端末というかiPadしか使っていなかった。ノートPCは結局のところPCであって中途半端なことにしか使えないし、バッテリーもすぐになくなるので常に電源コードにつないでいてうっとうしいし、スマートホンやタブレット用のソフトも使えない。だったらノートPCと同じぐらい高価なタブレット端末を買ってもいいんじゃない?みたいに思ったのでこの高価なiPadを買ってしまった。Appleが言うにはノートPCよりも性能がいいらしい。
自分が現時点で使っているiPadはAir 2とPro 10.5インチと今回紹介するPro 12.9インチなのだけど、同じゲームをそれぞれの端末でやっていると全然違っていてその進化を感じた。アクションゲームの「白猫テニス」は結構重いのでAir 2だともっさりするのに対してPro 10.5インチだとキビキビ動く。そしてこのPro 12.9インチは、なんだか安定感がある感じ(笑)。まあPro 10.5インチでも十分かなというところだったけれど、Pro 12.9インチは妙にしっかりと動作している感じがした。うーん、タッチパネルの問題がなければあえて買い替えることはなかったかな。
で最近やっている中国サンボーン「ドールズフロントライン」はシミュレーションRPG風のゲームなのでアクション性はそんなにないのだけど、操作を素早くやろうとすると端末によってレスポンスに差がある。Air 2はいちいちストレスを感じるレベルで遅く、Pro 10.5インチなら十分快適なのだけど、このPro 12.9インチだとさらにキビキビして気持ちよく遊べる。Pro 12.9インチでのプレイに慣れてしまうと、Pro 10.5インチではちょっと引っかかりを感じてしまう。まあハードの性能というよりもソフトの造りの問題のような気がする。
それと意外に差があってびっくりしたのが音で、このPro 12.9インチは効果音なんかがとても気持ちよく鳴ってくれる。Pro 10.5インチの音がしょぼく感じてしまう。
ヘッドホン端子がなくなってしまったけれど、自分はタブレット端末でヘッドホンをさして使うことはないので問題なかった。Bluetooth接続だとどうしても遅延が発生してしまうため、音ゲー(画面に合わせてタイミングよくタッチすることで音を奏でるゲーム)をヘッドホンでやりたい人にとっては困ると思う。本体を薄くしたいならともかくこの大きさのタブレット端末でヘッドホンジャックをなくす意味はあるんだろうか。USB3.1 Type-CにDACを接続しろってことなんだろうか。
従来のiPadは薄く感じさせるためヘリをとがらせていたのだけど、このPro 12.9インチは特に何もしていないのでわずかに丸みはあるものの厚さ7.5mmがそのままヘリになっている。自分はこのデザインも悪くないと思っている。なんにせよ違いはヘリだけなので剛性にはそんなに差はないと思う。剛性といえばそんなに不安はないけれど、さすがに12.9インチは大きいので、はじっこの方だけで持つとたわんでしまいそうになってちょっと怖い。なるべく内側を支点に持ったほうがいい。
目玉の一つであるApple Pencil 第二世代は、自分の場合お絵かきしないのでそんなに欲しいと思わなかったのだけど、アフィブログ「IT速報」でたびたび取り上げられていてちょっと欲しくなったので買ってしまった(アフィは当然回避で)。描き心地はヨドバシの店頭で確認していたので問題なかった。決まっていた用途はたまに数学の問題を解きたくなるぐらいで(数式や図形はテキストで打てないしマウスだと思うように書けない)、あとは何も考えていなかった。こういうのって実際に使ってみないと便利な使い道が思いつかないので。でもそういえばSurface Pro 2に付属していたWACOMのペンは結局ほとんど使わなかった。情報の整理の仕方とか色々とやれたらいいなと思っているけれど、面倒なのでいまのところ何もしていない。昔は新品のノートに色んな思いつきを書いてワクワクしていたのになあ。
困ったのは、ペンのバッテリー消費が意外に激しいこと。Apple Pencil 2を満充電の状態から放置しておくと、一切使わなくてもバッテリーが一週間もたない。ペンはiPad本体から無線で充電できて、マグネットでペタッとヘリにくっつけておくことで充電できるのだけど、この状態で置いておくとiPadのほうもバッテリーを激しく消費してしまう。これには参ったのでペンは普段離しておいて、iPad本体を充電するときだけくっつけておくことにしている。こういう使い方をするとペンが紛失しやすくなるのでなんとかしてほしい。
正直言ってApple Pencilは買わない方が良かった。これで一万五千円って。iPad Pro 10.5インチのタッチパネルがおかしくなって渋谷のアップルストアに行ったらその場で再現させろと言われて何か特別な機器を付けた状態でやっても再現しなくて、診断アプリでも異常が見つからないと言われ引き取り検査も拒否されて納得がいかなかったので、しばらくAppleの製品から距離を置こうと思って正月のクーポンを使い切ってしまおうとApple Pencilを買ったのだけど、ますますAppleの金満主義に嫌気がさしただけで終わってしまった。結局家に帰ったらしっかりタッチパネル不良が再現したので時間の無駄に終わった。アップルストアの予約にも手間がかかり、どんだけ殿様商売してるのかと思った。
画面が大きいのはいいことだけど、当たり前ながら持ち運びにくいのが難点だった。画面が大きくて良いのは、録画したテレビ番組をリラックスした姿勢で椅子にもたれかかって見るときぐらいで、あとは別に11インチでいいんじゃないかと思った。今回はどうせ外に持ち出さないだろうからとcellularモデルではなくてWifiモデルにした。
当初は寝っ転がりながらの使用も考えていたのだけど、あお向けになって持つと手が疲れるし、うつ向けになると姿勢が疲れるのでそんなに使っていない。ベッドの真上に23インチのタッチパネル付液晶を設置してWindowsタブレット状態のサブマシンを使うようになったので、iPadの出番はそんなになくなった。タブレット端末の主な用途は前述のとおりゲームとテレビ視聴とあと電子書籍を読むことなのだけど、スマホゲーム以外ならWindowsマシンで問題なくこなせる。最初はAndroid-x86マシンをベッド用にしようと思っていたのだけど、Windowsマシンでいいじゃんとなった。なんにせよiPadの出番はなかった。Windowsマシンだったら安価に組めるし。4Kのタッチパネル付液晶モニタがあれば欲しい。業務用の高いやつならあるみたいだけど。
と色々文句も言ったけれど、Proとか高価な製品ではなく廉価なモデルならば少なくともiPadに関してはまだまだAppleが優位にあるのを感じる。Androidもだいぶレスポンスがよくなったけれど、iPadのほうが生理的に気持ちいい動きをする。これで値段がもっと安くなるか、値段に見合ったサポートをしてくれるのならばいいのだけど。ただ、いまのところPro以外はコネクタが独自のLightningのままなので、廉価モデルでもUSB3.1 Type-Cになってから買ったほうがいいと思う。
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