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    愛南ぜろ (新潮社 BUNCH COMICS)

    いまいち(-10点)
    2019年10月14日
    ひっちぃ

    アルバイトの面接に行った大学生の女の子あきらだったが、気が付くと98人の女の子たちとともに大きな部屋の中に閉じ込められていた。そこにはレトロなゲーム機が一台と巨大なスクリーンがあり、女の子が一人一人番号順にゲームの中へと転送され、すぐに死ぬ超絶難度のゲームをやらされるのだった。青年マンガ。

    体操着の女の子が背番号をつけられてなにかさせられている感じの絵に魅かれて読んでみた。グイグイ読めたけど楽しくはなかった。

    いわゆるデスゲームもので、しかも超絶難度なのでどんどん女の子たちがひどい死に方をしていく。作中人物も言っているけれど「リョナ」ものってやつだと思う。部位切断が特にグロい。奥浩哉「GANTZ」を思い出した。

    一人がゲームしているときに他の人間がスクリーンの外から声を掛けることが出来るので、どうやったらいいのか声を掛けて一緒にプレイしていく感じになる。デスゲームだけど協力プレイなので女の子たちが団結していくのかというとそうはならず、混乱したり仲間割れしたりする。

    男嫌いのエキセントリックな少女かえでが場をかき回す。それをあきらがたしなめる流れになる。あきらはかえでの心の傷に触れ、慰めようとする。でもあきらには大きな秘密があった。そうしているうちに無情にもあきらの順番がきてしまう。

    読ませる度が☆4つか5つぐらいあるのだけど、展開が一応気になるだけで読んでいても全然面白くなかった。ゲームの設定も雑だし、こういっちゃなんだけどクソマンガだと思う。

    極限状態における人間性を描いているわけでもなく(あるっちゃあるけど)、ゲームの外での人間関係もほとんど描いておらず(筋だけ)、ただただ人が死んでゲームが進んでいくだけ。あと黒幕が最低。なんだろう。良く言えば純粋なエンターテイメントなんだろうか。

    絵は好き。女の子は百人近くいるのでさすがに全部きっちり描き分けられているわけじゃないし、みんな体型が似通っているのだけど、そこそこかわいいし体操着が最高。自分はブルマにはそれほど惹かれないけれど、あのやたら綿の厚い体操着を着た女の子の胸に顔をうずめてみたい(!)。そういう風俗へ行けば一発で叶うんだろうけど、それはやっぱり違うような気がする。

    グロは多いけれどエロはそれほどでもない。胸をポロンと見せるシーンとか全裸で粘液パックとかあるけれど全体に占める割合はほんのわずかだった。

    この作品を唯一評価できるポイントは、女の子が引くぐらいひどいめにあう「リョナ」ものを一般人でも楽しめるエンターテイメント作品にまで一応持って行ったことだと思う。こういう嗜好があるかもしれないと思っている人は、自分の欲望を最大限満たしてくれる可能性を考えて試しに読んでみるのもいいかもしれない。

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